/note/social

朝日新聞から異色の「政界転身」続出

朝日出身者がこのように相次いで選挙に立つようになった背景には、朝日の本業の不振があろう。かつて800万部を維持した部数は今や300万部台に落ち込んでいる。官界や経済界における影響力を失い、特に地方の紙面は地元紙と比べて大きく見劣りするようになった。

このまま朝日に在職していても仕方がないという気持ちが、「政治」への転身を後押しする。戦後を代表する左派・リベラル系ジャーナリズムの朝日ゆえに、どの候補者も野党系というのが興味深い。

朝日の社員は、野党の一員として威勢のいいことを言う分にはなんとか格好はついても、さまざまな利害が絡み合い、現実的な調整をしなければならない役回りは得意ではなさそうだ。

朝日新聞社の経営は左前だが、国内の報道機関の中では人材が粒ぞろいだ。かつても緒方竹虎や中野正剛、石井光次郎、田川誠一、竹内謙ら朝日新聞出身の政治家は少なくなかった。

社内には今も、志が高く正義感が強い社員が結構いる。今のボンクラ経営陣では社勢の反転攻勢は望み薄だ。社会に関心がある有為な人物ほど政治に転身するかもしれない。

早期退職に応じて割増退職金を手にしたら、いざ出陣である。

朝日新聞は野党予備校