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「対応できず閉院決めた」例も…医療機関を追い込む「マイナ保険証」 システム整備義務化、できなければ制裁

2024年秋に健康保険証が廃止され、マイナンバーカードと一体化されるのを前に、医療機関による「マイナ保険証」への対応が1日、義務化された。医療機関には、カードの保険証情報を読み取るオンライン資格確認のシステム整備が求められるが、作業の遅れや機器のトラブルが起き、不満の声が広がる。導入への負担から閉院を決意したケースも出ている。(山田祐一郎)

全国保険医団体連合会(保団連)のアンケートには、オンライン資格確認の義務化を機に、高齢の医師・歯科医師らを中心に閉院や廃院を検討しているとの声が寄せられている。

京都市の医院と診療所で診察する男性医師(70)もその1人。回線が整備できず、診療所は経過措置後の9月末で閉院することを決めた。「高齢のため、システムやプライバシー保護への対応に自信がない。診療所の患者には紹介状を作成した」と明かす。医院のほうは回線工事を依頼しているが、「設置はいつになるか分からない。経過措置期間内にできればいいが」と不安を口にする。

保険証廃止は、政府が3月に国会提出したマイナンバー法など関連法改正案に盛り込まれた。これに対し、保団連は厚労省に法案撤回を要請。国会内での集会では、保団連の住江憲勇会長が「オンライン資格確認はメリットが少ない上、顔認証自体がプライバシーの侵害。国家による個人の統制・監視につながる」と訴えた。

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