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私はどうやら「無産様」らしい

先日、Twitterでスープストック論争が巻き起こっているのをみて、ま〜た色んなところで女の敵は女論やフェミがなんだツイフェミがなんだ言い争ってるんだなぁと思っていたのですが、その中で出てきた「無産様」というワードが想定していた以上に心に刺さってしまって、ちょっとだけ泣いてしまったので、気持ちの整理をつけるために書いています。

誰に見られるものでもない前提ではあるものの、世に放つには随分と乱文になるかと思いますので、もしお読みの方いらっしゃったらご了承ください。

大前提として、スープストックが取り組む施策について、「子ども連れの肩身が狭い」と言われる昨今、すてきな取り組みだと思っています。

それに対して、本当にうれしい!という感想も、無料だと客層大丈夫?という感想が出ることも、いきにくくなるのだとしたら悲しい、という感想が出ることも、それぞれの方の反応なので、それぞれが思っていればよいことだと思います。

無産様がいわゆる「子持ち様」と揶揄されてきてしまった方々へのカウンターとして用いられているということも、この騒動において「お子様連れなんて!」とお怒りの方に対して向けられていることも、理解しているつもりです。

無産様という言葉が、私に向けられた言葉では無いことはわかった上で、それでも傷ついてしまったとき、感情の向け先がなくなってしまった。

まぁ自分で処理しろよ大人なんだから、ということに尽きてしまうのかもしれませんが。

「男性はxxxxxxだ!」という主語の大きい言葉が、よく話題に上がり男女の論争になることを見てきました。

これだから「男」は、「女」は、という言葉が、自分を指していなくても内包されて同一化されることの不快感を、ようやく理解したのかもしれないなとも思っています。

ただ、私のこの気持ちを、「俺たちの/私たちの気持ちがようやくわかったか!」という言わばマウンティングや、今回の件で「無産様」というワードに対して「面白さ」を感じた人たちの免罪符にだけはされたくないとも強く思う。

無産様だってwwwおもろwww

と言っていた貴方。

貴方にお子さんはいらっしゃいますか?

あなたは今おいくつですか?

あなたのライフステージは今どこで、それは社会からただしいと見なされている段階に進んでいますか?

私は今回使われた意味ではないとしても、きっと「無産様」として死にます。

私が家族を持つイメージが、どうしてもどうしても持てない。絶対的に「向いていない」のだと思う。

20の頃からきっと1人で生きていくんだろうなと思い、25をこえていよいよ1人であることの現実性が増してきてる。

まだ若いよもまだ分かんないよも、いい人と出会ってないだけだよももう十分だと思っている。

面白いと嘲笑ったあなたが10代のお子様なのであれば、それはもう仕方がないとして、いつかあなたがきちんとしたライフステージを歩まれることを心から願っています。

どうか、親ガチャ失敗wなどとあなた自身が言われないよう、どうぞすてきな20代をお過ごしください。

上手いこと言ったなぁwと高みの見物をしているあなたが20代前半なのであれば、まだ差し迫る恐ろしさを知らないのか、それとも自分はただしいライフステージを歩めるという自信があるのか、それとも開き直ってるのかは分かりませんが、早く大人になれることを願っています。

ツイフェミと馬鹿にし、独身女おわってるなぁと思っているあなたが、20代後半以降なのだとしたら、あなたが何をどう考えて人生を生きているのか、本当に教えて欲しい。本当に本当に切実に。

私は、無産様というワードにここまで、何よりも傷ついているのは、私が女として、生物として子をなさないという、劣等種であるという自覚を強く持ち、社会にプラスを与えない、正しくないライフステージを歩んでいるという思いがあるからに他ならないのかもしれない。

分かっている。

結婚は自由だ。

結婚しなくても幸せになれる時代に、というキャッチコピーがいつだったか流行っていた。

もう結婚が女の幸せ、と括られる時代では無い。

分かっている。

子どもを持たない選択をする家庭があることも、心身の理由により子どもを持てない方がいらっしゃることも。

その事により、その方々が「劣っている」とみなされるわけではないことも、分かっている。

まして、子どもがいない方を見下し劣っているというレッテルを、私自身が貼りに行くことなど決して、決してない。

でも、分かってしまった。

正しいライフステージを進めなかった私は、子どもを持つことがない私は、こうして、「無産様」と嘲りを、罵りを受けるステータスの人間であるということが、今回骨身に染みてしまった。

スープストックの対応につっかかったからとか、子持ちに対して怒りを向けたからとか、そういうことではなく、「子どものいない独身女性」に対する社会からの侮蔑がなければ、こんなワード生まれないじゃないですか。

誰かが面白がる前に、止めるじゃないですか。

止まってないじゃないですか。

面白いなと、あなたは言ったじゃないですか。

「無産様」という言葉を面白いと、外野から笑ったあなたが、子を持たず、家庭を持たず、私と同じく正しいライフステージを歩んでいないのだとしたら、どうしてそんな風に生きていけるのかを教えてほしい。

これが弱者男性の世界だとでも言うのですか?

小さい頃から嘲りを受けてきたから今更なにか言われてもということですか?

女は、独身女性としてなった時にはじめて、弱者男性の世界がみえるとでも??

同じ立場になったから、復讐心で石を投げている?

だとしたら地獄じゃないですか、こんな世界。

ここで、地獄だよ、なんてわかった顔しないでほしい。

優しさを持てないことを嘆いているのであって、この世界が地獄であることはあなたもわたしも優しさを持てていないことの証明でしかならない。

違うのだとしたら、なぜ、与えられた痛みを与え返すことができるのだろう。

分からない、本当に。

「無産様」として生きている私は、産まないからこそ、生きてきて次の世代に、生物として+1を引き継げないからこそ、子どもは大切に大切に育てられて欲しいなと思っています。

そのために制度が、補償が、サポートが必要なら、未来のために使われるべきと思っています。

ただこんなにも残酷で悲しい言葉を楽しめてしまう環境に、未来なんてあったもんじゃねぇわ、とは思いました。

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追記

こういう形式の投稿がはじめてだったこともあり、色んな意見があるな〜とみてました。

反応があることにわりとびっくりしてたので、強い言葉であってもなんであっても、ありがたいなと思いました。

そもそもどの立場(男/女/主婦/子なしなど、本当に様々)においても蔑称が存在するのはたしかにそうで、私が当該者じゃなかったから痛みに気づいてなかっただけでしかない。

誰であっても何であっても蔑称があり、それが社会からの目線とかでもなく、インターネットにおける悪意なんだとしたら、なんか凹むことないな〜と思えました。

被害者ヅラするより元気に生きた方がいいですね、ほんとに。

かつての蔑称に怒ってこなかったのだから傷つけられて怒るな、は、今後登場しうる全ての蔑称に耐えるしかない&全員が痛んでいくしかないということ…?とも思ったけど、そういうものだから「痛めつけられる必要がない」なのかもと思えました。