今回の波紋の中心にあったのは、国連人口基金によるあるレポートである。曰く「出生率を政策で上げようとするのではなく、(少子化改善にこだわらずに)男女平等を進めるべきだ」という。
……という冗談はさておき、これまでポリコレ・リベラルを批判していた人びとが2010年代から繰り返し主張してきた「男女平等は出生率に負のインパクトをもたらす」という事実を、とうとう国連側も否定しなくなっていることは特筆に値するだろう。担当者のミスでうっかり本当のことを言ってしまっただけなのかもしれないが、少なくともこの問題に関する議論のフェーズはさらに一段階進んだと見える。