これを踏まえると日本の労働生産性を議論するベースラインとしては購買力平価換算労働時間あたりGDPとするのが良い。これがツィート内のグラフとなる。
これを見るといまだ韓国よりも高い生産性を保っているとはいえ、欧米諸国には大きく引き離されているだけでなく2014年以降傾きが緩やかになっていることがわかる。
多くの世界的大企業をかかえ、移民も多く、いまだ人口増加も続いているアメリカに引き離されているのは納得できるが、イギリスやイタリアからも大きく引き離されている(50%以上高い)のは謎である。ここが明確化できれば日本の労働生産性が低い謎も解明できるかもしれない。
ヨーロッパ諸国では日本よりも残業が少なく総労働時間が短い。多くの実験でも週40時間労働を35時間に減らす程度では生産性は下がらない、と言う結果がでている。現代社会は頭脳労働が中心であるため、労働時間の減少が直接産出減少につながらず、生産性を向上させているものと考えられる。
これらの原因が時間当たりGDPの差をどこまで埋められるのかはわからない。しかしながら、女性の社会進出の遅れ、高熟練・高賃金の労働者が増えない、高齢者の技能を生かさない、という日本の労働環境、労働慣行がその原因のひとつであろうことは疑いないように思える。