上京した女性、結婚したければコリドー街には絶対に行くな。ここは「性別が女性」というだけでそこそこ地位と年収とコミュ力の高い男達が自らの欲望を短期的に満足させるために経験したことのないようなVIP扱いをしてくる。酒も肉も願うままにご馳走してくれる。でもそれは「あなたに魅力がある」から
ではなく「生理的に無理でない即ヤれる女」を無差別に姫扱いしているに過ぎない。現実(地元)にもどった時はどうだろう。残念ながら貴女は姫ではない。白馬の王子様は貴女のことなんて見向きもせずに後ろ足で踏みつけながら通りすぎる。貴女にぴったりの王子様は、堅実にサラリーをもらって働く
年収400万前後、自分磨きにあまり興味がなく、週末の晩酌やオンラインゲームに生き甲斐を感じる、白馬のかわりに白いフィットに乗っている30代中年だ。時が経つとその事実にうっすらとは気づく。が、あの頃の優越感が忘れられない。三○物産や丸○のバッジをつけたツーブロイケメンに、すしざんまい
を通り過ぎるあたりのタクシー内で、肩を引き寄せられ愛を囁かれた快感は簡単には消えない。本来、彼らの隣にいるのは【こんなとこ】に来なくてもお姫様扱いされる、パッチリおめめで色白、性格が穏やかで家柄の良い女の子なんだ。さあ、まだ日比谷線の終電には間に合う。勇気をもって引き返そう。
とは言え、そこで上手いこと一流企業勤めの体育会系ツーブロゴリラの嫁に納まればとりあえず勝利みたいなところはあり、人生を賭けるに値する勝負ではありそう。
都合よくヤレる相手だと見なされていることは百も承知の上で、それでも尚より良い条件の良いオスを狩りに征くという意味で彼女らもまた戦士だろう。