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生活保護担当者(ケースワーカー)から見たColaboの住宅扶助

Colaboと暇空茜氏の裁判で、Colaboが、保護受給者は通常より高め、生活保護の上限の家賃を取っていると話題になっています。

な「んんん????生活保護のときは家賃53,700円にしてるって言ってません????」

ひ「家賃は3万円が基本です(キリッ)生活保護のときは上限の53700円になります(キリッ)って言ってるね」

な「え?3万円が基準なのに生活保護だと上限申請するんですか????」

https://note.com/hima_kuuhaku/n/n123fd9c067a8

これに対して、一部で「不動産業界なら当たり前」などの擁護(?)が出ているのを確認したので、実情をお話しします。

まぁ実情といっても、保護受給率が60‰を越える自治体(かなりの高率です)での経験しかないので、もしかしたら別の自治体では別の運用をしているかもしれません。

■ (1)家賃を、通常は生保基準より低めに設定して、生保受給者には生保基準満額に設定するのは一般的か

答えはNOです。

家賃が上限に張り付いているときは、例えば賃貸広告を見たり、大家や不動産会社に確認を取ったりして、その物件が一般的にいくらで貸し出しているか確認し、生保基準より下回っていたら大家や不動産会社と交渉します。「他の部屋と同水準の家賃とできないか」とね。

大抵の場合は大家も後ろめたい事をしている自覚があるので受け入れてもらえますね。

■ (2)生保受給者からは他者よりも高額の家賃を取っている例はあるか。

答えはYESです。

(1)の事例において、役所側に強制的に調査できる権限はないし、契約はあくまで大家と利用者の個別のもので、多少の条件の違いはよくあることと突っぱねられれば抗弁のしようがありません。

まぁ役所側は典型的な貧困ビジネスと認識していると思います。

当然、通常家賃3万円の部屋より通常家賃53700円の部屋の方が諸々の条件がいいので、保護受給者には転居を勧めたりしますね。(転居費用も実費を生活保護から出せます。)

■ (3)生保受給者には家賃額を変える最も一般的な事例は何か

本件事例とは逆で、通常は生保基準より高めの家賃だけど生保受給者には、生保基準満額の家賃とする場合です。例えば本件なら通常6万円の家賃を、生保受給者には53700円とするような場合ですね。

これは大家の好意の場合もありますし、家賃を確実に取りっぱぐれないというメリットもありますね。

保護担当者が大家側と交渉してここまで下げてもらうこともあります。

ちなみに、こういった交渉に応じてくれる大家・物件の情報は共産党や公明党が詳しくて、この両党が生保相談の窓口として頼りになる理由でもありますね。

■ まとめ

今回暇空茜氏が提示した資料がすべて真として、直ちに生活保護の不正受給とは言えないものの、貧困ビジネスとは評し得る(定義もありませんしね)のではないでしょうか。

※ただ、通常3万円、生保受給者は満額53700円って差額はなかなか見るものではありませんね…差があっても5000円とか10000円程度なら見かけるんですが。不正時給かどうかはこのあたりがどう評価されるかにもよるでしょうね。

■ 余談(メガネスーパー案件との違い)

同社は「販売担当者が福祉制度の運用を正しく理解しておらず、上限額かそれに近い額を申請するものと誤って認識していた。現時点では故意性は確認していない」と説明

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC02B210S3A600C2000000/

制度上実費負担となっているものを実費以上に請求してたからアウトってことですね。

住宅扶助も実費負担なのですが、市販で価格の決まっているメガネと違って、個別の契約で実費が確定するって違いがありますね。

もちろん程度問題で、それがどう評価されるか、ですが