過去30年間の日本の失策は、だいたいこの3つにカテゴライズできるんじゃないかと思っています。
(1)人口政策を真正面から議論することを避けた
(2)人口動態の変化に耐えきれないことが分かりきっていた社会保障制度を放置した
(3)非効率で生産性の低い分野を保護して中長期的な構造調整から逃げた
(1)については、今になってようやく異次元の少子化対策とか言い出したのはもちろんのこと、移民政策については真正面から議論することを避けて、「技能実習」や「特定技能1号・2号」などの”準”移民政策とも言えるような制度で人手不足をごまかしてきた。
(2)については、説明不要だと思いますが、少子高齢化が進む中で、賦課方式が持続不可能であることは分かりきっていたのに放置し続けた。
実質税金である社会保険料を国会の議決なしにしれっと上げ続けてなんとか体裁を取り繕ってきたけど、もはやこれ以上引き上げられないレベルになってきた。
(3)については、生産性が低く非効率的な分野から、生産性が高く効率的な分野に資源(資金や労働力等)を移動させることができなかった。産業政策だけでなく、労働市場改革や教育政策など、あらゆる分野で構造調整から逃げた。