テレビ番組に出演していた女子プロレスラー木村花さんがSNSで中傷されて自殺した問題を巡り、母親が中傷の投稿をされたとして損害賠償を求めた訴訟で、証拠とした投稿が第三者による 捏造 とみられることがわかった。投稿内容の捏造は技術的に容易とされる一方、それを偽物と見抜くのは難しい。ネット上には真偽不明のものが出回っており、対策が求められる。(田中俊之)
「まさか投稿が捏造の可能性があるものとは全く思い至らなかった」。母親の代理人弁護士は取材に対し、そう語った。
花さんは、テレビ番組での言動を巡り、SNS上で相次いで中傷され、2020年5月に自殺した。母親は、投稿者に対して刑事や民事の責任を追及。複数の投稿者が侮辱罪や名誉 毀損 罪で略式起訴されたり、損害賠償を命じられたりしている。
母親は21年8月、ツイッターへの投稿で花さんが中傷されたとして、大阪府内の女性ら一家4人を相手取り、約300万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。訴訟はその後、大阪地裁に移された。