全党の支部・グループのみなさん。
今年、2023年は、日本の前途にとっても、日本共産党にとっても、その命運がかかった文字通りの正念場の年になります。
私たちは、昨年8月の第6回中央委員会総会の決定にもとづき、8月から12月末まで、「党創立100周年記念、統一地方選挙勝利・党勢拡大特別期間」にとりくんできました。昨年12月には、常任幹部会として、全国の支部・グループのみなさんに「特別期間」の成功を訴える手紙をおくりました。「特別期間」をつうじて、私たちは、2064人の新しい同志を党に迎え入れるなど、悔しい後退から新たな前進にむかう確かな流れをつくりだしつつあります。全党の支部・グループのみなさんの大奮闘のたまものであり、まず心からの敬意と感謝の気持ちをお伝えします。
第7回中央委員会総会は、「特別期間」の成果を踏まえ、来年1月に開催予定の第29回党大会までに、第28回党大会で決めた党建設の目標――党員拡大と「しんぶん赤旗」読者拡大で、第28回党大会比130%の党をつくる、青年・学生と労働者、30代~50代などの世代で党勢を倍加し、民青同盟を倍加するという目標を、必ず達成することを決定し、この大事業を全党に呼びかけることにしました。直面する統一地方選挙勝利・前進、岸田内閣の大軍拡を許さないたたかいなど国民運動の発展のための方針も決めました。
「130%の党」という大目標をやりとげる道はただ一つです。すべての支部・グループのみなさんが、この運動に参加し、それぞれの条件をふまえ、それぞれがもつ可能性をくみつくして、この運動に主人公として参加することです。それができるならば、「130%の党」は必ずつくることができる。私たちは、そう確信し、7中総の総意として、この手紙をみなさんにおくるものです。
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全党の支部・グループのみなさん。
なぜ「130%の党」をつくることが必要なのか。まず何よりも「130%の党」をつくることは、第28回党大会で全党の総意で決定した目標であることを強調したいと思います。そのうえで、7中総は、日本共産党が現在と未来にわたって果たすべき任務、党組織の現状を踏まえて、次の三つの理由から、今年、「130%の党」をどうしてもつくらなければならないと決意しました。
第一は、いまわが党が直面している政治任務を実現するには、「130%の党」をつくることがどうしても必要だということです。
岸田政権が、「専守防衛」をかなぐりすてた大軍拡の暴走を始めています。この大逆流を止め、憲法・平和・暮らしを守る国民的な多数派をつくることが急務です。この仕事の大黒柱となって頑張りぬける党は、1世紀におよぶ反戦平和の歴史をもつ日本共産党をおいてほかにありません。このたたかいを支える強く大きな党をつくることは、党の存在意義がかかった平和への責任ではないでしょうか。
そして次の国政選挙――総選挙で反転攻勢を実現するためには、「130%の党」への前進がどうしても必要です。私たちは、2021年の総選挙、22年の参議院選挙で悔しい後退を喫しました。統一地方選挙では、全党の努力にもかかわらず、前回時比で党員91%、日刊紙読者87%、日曜版読者85%でたたかったことが、悔しい議席後退の最大の要因となりました。選挙で勝つためには党の自力が足りない。これはみなさんが痛いほど感じておられることだと思います。今度こそ勝ちたい。これもみなさんの共通の願いだと思います。そのためには、いま自力をつけることがどうしても必要です。
7中総では、来たるべき総選挙の比例目標を「650万票、10%以上」と決めました。前回総選挙で獲得した416万票の1・5倍、昨年参院選で獲得した361万票の1・8倍となる目標です。総選挙は、平和・暮らし・民主主義・人権などで国民の切実な願いが噴き出しているもとで、日本という国のあり方の根本が問われる選挙となります。総選挙では日本共産党の比例代表での躍進を中軸にすえ、日本共産党をのばすことを最優先で追求し、それに徹するたたかいをやりぬきます。国民の切実な願いと結びつけて、異常な対米従属・財界中心という日本の政治の二つのゆがみを「もとから変える」――党の綱領的値打ちを太く押し出した論戦にとりくみます。支配勢力による党綱領と組織のあり方に対する攻撃を打ち破って、党への丸ごとの支持を広げ、積極的支持者を増やす政治的大攻勢をかけてたたかいぬきます。
「130%の党」への党勢拡大の飛躍的うねりをつくり、来たるべき総選挙で、必ず反転攻勢を果たそうではありませんか。
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全党の支部・グループのみなさん。
第二に、より長期の視野に立って、党の綱領路線を実現するためには、いま、「130%の党」と若い世代・真ん中世代での党勢倍加をやりぬき、党勢を後退から前進へと転換させることが、どうしても必要になっています。
党創立100周年記念講演では、61年綱領確定後の60年余りの歴史の教訓にたって、1960年代から70年代のような「強く大きな党をつくり、その力で選挙に勝ち、さらに強く大きな党をつくる」という法則的発展を、新しい情勢のもとでつくりだそうと呼びかけました。
この60年余り、日本共産党は3回の躍進を経験してきましたが、そのたびごとに支配勢力は反共キャンペーンと反動的政界再編でこたえました。しかし反共と反動のくわだての一歩一歩が矛盾を広げ、支配体制をもろく弱いものにしています。
経済政策では、弱肉強食の新自由主義の政策が行われ、格差が拡大し、日本は世界でも他に例をみない「賃金が上がらない国」「成長できない国」に落ち込んでしまいました。外交・安保分野では、憲法違反の集団的自衛権行使に道を開いた安保法制に続いて、敵基地攻撃能力保有と空前の大軍拡によって、日本の国のあり方が「戦争国家」へと根底からつくりかえられようとしています。自民党政治と国民との矛盾が広がり、限界に達しています。
こうして大局的・客観的に見れば、日本はいま、新しい政治を生み出す「夜明け前」となっています。新しい政治をつくる客観的条件は成熟しています。しかし、どんなに客観的条件が成熟しても、社会を変える主体的条件をつくらなければ、社会は自動的には変わりません。「夜明け前」を「夜明け」に変えるには、それを担う統一戦線と、その推進力となる強く大きな日本共産党を建設することがどうしても必要です。
私たち日本共産党員は、綱領路線実現という共通の目標のもとに集っている集団です。しかし、この目標をやりぬくためには、私たちの党勢はあまりに小さすぎます。みんなで力を合わせてこの弱点を抜本的に打開し、綱領路線実現を力強くすすめる党をつくり、国民と歴史への責任を果たそうではありませんか。
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全党の支部・グループのみなさん。
第三に、党の現状は、いま抜本的な前進に転じなければ未来がなくなる危機に直面しているとともに、前進に転じる大きな可能性も存在しています。可能性に確信をもち、「130%の党」への前進で危機を打開しようではありませんか。
党組織の危機と困難が進んでいます。最も分厚い党勢をもつ世代が70代となっています。少なくない支部が、このままでは支部が存続できなくなる、「赤旗」の配達・集金活動が支えられなくなる、選挙で候補者をたてられないなどの、深刻な悩みに直面していることを、私たちはよく知っています。そのことに胸を痛めない日はありません。
しかし、困難があるからと党づくりをあきらめてしまえば、どうなるでしょうか。党の未来はなくなります。困難に直面している支部も、存在すること自体が草の根で市民・国民にとってかけがえのない役割を果たしており、その灯を消してはなりません。そして――
「強く大きな党をつくりたい」
「新しい世代にこの事業を引き継ぎたい」
これは全党のみなさんの共通の強い願いではないでしょうか。この願いを一つに集めて、党づくり、党員拡大によって困難を打開しようではありませんか。変革の精神で危機をのりこえようではありませんか。
私たちに、それをやりぬく可能性があるでしょうか。大いにあります。
何よりも、私たちは、科学的社会主義の本来の生命力を現代に全面的に生かし、世界と日本の情勢の正確な分析のうえに、未来への展望を指し示す党綱領をもっています。1世紀にわたって平和と社会進歩に貢献してきた比類ない歴史をもっています。
党の政治的影響力は、党づくりで飛躍的前進を開始した1960年代に比べてはるかに大きくなっています。全党のみなさんのたゆまぬ努力によって、わが党は1万7千の支部、約26万人の党員、約90万の「しんぶん赤旗」読者、約2400人の地方議員を擁し、他党の追随を許さない草の根の力に支えられた党です。
1960年代、70年代に入党し、幾多の試練を乗り越えて頑張ってきた約9万人の同志が活動していることは、わが党の誇りであり強みです。民青同盟が年間1500人の拡大目標を超過達成し、元気いっぱい頑張っていることは、私たちにとっても大きな希望です。
これらの可能性に深い確信をもち、それを全面的に生かして、「130%の党」と若い世代・真ん中世代の党勢倍加をかちとり、新鮮な活力あふれた日本共産党をつくろうではありませんか。
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全党の支部・グループのみなさん。
「130%の党」とは、全党的に36万人の党員、130万人の「しんぶん赤旗」読者をめざす大事業です。同時に、この仕事を、すべての支部・グループで担うならば、来年1月の党大会までに、平均して、1支部あたり、現勢で、2カ月に1人の党員、1人の日刊紙読者、3人の日曜版読者を増やせば実現できます。これが過大な目標でしょうか。「高い山」のように見えますが、すべての支部と党員のみなさんがたちあがるなら、決してできない目標ではないのではないでしょうか。
まずはこの手紙を、すべての支部・グループで読み合わせをし、率直な意見をどんどん出して議論していただき、「130%の党」にむけた自覚的目標をもち、足を踏み出すことを心から訴えます。
支部のおかれている条件を踏まえ、一人ひとりの党員の願いを大切にしながら、次の五つの活動を具体化・実践することを訴えます。
第一に、すべての支部が、「政策と計画」をもち、要求運動にとりくみましょう。大軍拡反対の国民的大運動を全国の草の根から起こしましょう。国政の要求から、子どもの医療費無料化、学校給食無償化など地域の要求まで、さまざまな要求を掲げて運動にとりくみ、その運動のなかで党勢拡大をつねに独自に追求しましょう。
第二に、支部のあらゆる活動のなかで党員拡大を正面から追求しましょう。党の側から壁をつくらず思い切って広く働きかけ、「党員拡大の日常化」にチャレンジしましょう。
読者拡大でも、紙面の魅力で新しい読者を増やす「お試し作戦」も含め、日常的に独自追求を強めましょう。
党のもつあらゆる可能性を総結集して、若い世代と真ん中世代での党建設にとりくみましょう。いま若者のなかで大きな党と民青同盟をつくる歴史的時期を迎えています。5年間で「数万の民青」と1万人の青年・学生党員を実現することを目標に、党の総力をあげて青年・学生支部と民青班の援助にとりくみ、ここから党の世代的継承をやりぬき、党の未来をつくっていこうではありませんか。
第三に、“綱領と歴史で党をつくる”を合言葉に、党綱領と党創立記念講演の学習にとりくみ、党づくりの政治的推進力にしましょう。次期党大会に向け、すべての支部で綱領と記念講演の学習に系統的にとりくみ、すべての党員が二つの文献を読了・視聴することを呼びかけます。毎日の「しんぶん赤旗」、毎週の「しんぶん赤旗」日曜版を読む気風を全党に定着させることを訴えます。
第四に、週1回の支部会議開催をめざし、支部会議を定期開催し、「楽しく元気の出る支部会議」の努力をつくしましょう。「楽しく元気の出る支部会議」にできれば、新しい同志を迎える意欲はいっそう強まります。同時に、新しい同志を迎えることが、「楽しく元気の出る支部会議」をつくる契機にもなっています。
第五に、総選挙での躍進にむけた目標と計画を具体化し、勝利に必要なとりくみをやりぬきましょう。
総選挙躍進に向け、すべての支部が得票目標、支持拡大目標を決めましょう。統一地方選挙の教訓を生かし、8中総がよびかけた「三つの突破点」で新しいたたかいに挑戦しましょう。(1)「ポスター」とともに、ハンドマイクでの「声の宣伝」を文字通り全有権者規模で大発展させましょう。若い世代、真ん中世代と協力し、「シール投票」「公園対話」などの双方向の宣伝にとりくみましょう。(2)「折り入って作戦」「こんにちは日本共産党訪問」など訪問での対話活動を徹底的に重視しましょう。単位後援会を確立し、後援会とともにたたかいましょう。(3)「SNSに強い党」となり、ボランティア、サポーターが参加する選挙活動を発展させましょう。
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全党の支部・グループのみなさん。
次期党大会までに「130%の党」をつくろうという提起は、私たち中央委員会としての反省を込めて提起したものです。
長い間、党組織の後退が続くなかで、私たちのなかにも、知らず知らずのうちに後退に慣れてしまう、目標を決めても責任を負い切らない、そうした惰性が生まれていました。それでは責任を果たせない、一切の惰性を中央から一掃する決意を込めて、7中総では、次期党大会までに「130%の党」を実現するという目標を不退転の決意で決めました。中央は、この目標を、全党の支部・グループのみなさんと力を合わせて、必ずやりぬくために、ありとあらゆる知恵と力をつくす決意をお伝えします。
さらに7中総では、中央の姿勢として、「現場で頑張っているみなさんが、一番苦労している問題、困っている問題を、ともに解決していく」という姿勢を貫いて奮闘することを確認したことをお伝えします。
全党の支部・グループのみなさんと、私たち中央委員会が、互いに学び合い、心を通わせ合って、「130%の党」を必ず実現していきたい。これが私たちの強い願いです。
そこで最後に、心からのお願いがあります。
全党のすべての支部・グループが、どうかこの「手紙」を討議していただき、「130%の党」と、若い世代・真ん中世代の党勢倍加をめざす、それぞれの自覚的目標と計画をしたためた「返事」を、党機関を通じて、中央委員会にお寄せください。「返事」では、支部のおかれた実情や、一人ひとりの党員のみなさんの気持ちも、私たちにぜひともお寄せください。
党創立101周年のこの年に、全党の支部・グループが心ひとつに、この歴史的事業に立ち上がり、ともに新しい歴史をつくっていくことを、重ねて心から呼びかけるものです。