えーと、さっき「専門知の暴走」について説明したので、今度は何故専門知識の無いアイドルみたいなのが有識者として迎えられてしまうのか? という疑問について専門家に教えようと思う(続く
それは「一般人は賢いので正しい判断をするのに専門知識を必要としない」からです。 専門知識がいらないからアイドルが有識者になります
まあ言いたい事は分かりますよ「いるだろ!!!!!」ですよね。 じゃあ次はそれについて説明します
まず、一般人と専門家って知識量に差があれど、脳の性能ってそこまで変わんねえんですよ。 だから専門知識を学ぶことそれ自体はできるんです。 でもやらないから出来ない。 なぜやらないのかと言うと「興味を持てない」からです。 逆に言えば興味さえ持てたら専門家と同じように学習できる
そこでアイドル有識者です。 これはね、正しくなくて良いんです。 面白くて分かったような気持ちになれれば十分なの。 それで興味を持てたら後は「普通に学習する」ことで残りの不足を補って、締切りまでには正しい判断を下せるようになる
逆に、有識者が正しいこと言うんだけど面白く無いし分からないだと、そのあと「二度とこの分野に関わりたくない」という気持ちで一杯になって、自習できなくなって、結果的に間違った判断をしてしまう
どっちが正しい判断に繋がるかと言うと「面白いだけのアイドル有識者」なんですよ。
専門家ってついつい「オカルト情報に踊らされる愚かな反ワクチン」みたいなのを想像して、自分が正しい知識で啓蒙せねばと使命感に燃えるんだけど
企業や政治の場で何かを判断する人間って、普通に頭良くて学習能力もあるから、興味さえ持てたら後は自力で全部やっちゃうんすよ
で、ここからが重要で「結果が専門家の価値を決める」わけです
正しいけどおもんない話をした専門家、受講者が学習意欲を失って悪い判断からの悪い結果が出ました。 間違ってるけどおもろい話をした専門家、受講者の学習意欲が高まり正しい判断から良い結果が出ました
するとですね「面白いけど間違ってる専門家を採用した組織が競争に勝って強い発言権を持つ」わけです
色んな組織が集まって有識者を選ぶ場では、やっぱり皆成功したいんですよ。 そうなると一番成功している組織から来た人の意見をみんな優先するんですね、勝ってる所の考え方から学びたいから
そうやってアイドル有識者みたいなのが増加していくわけです
結局のところ、高度な問題で正しい判断をしようと思ったら、専門家のちょっとした1時間程度のアドバイスではどうにもならず、数百時間の自主学習が必要になる
それを踏まえたら「1時間は間違った話をするけど、相手に興味を持たせて、後の100時間以上の自主学習を生み出す人間」ってメチャクチャ強いじゃん?
強いからこれを好む組織が競争に勝ち、勝った組織が次の有識者を選ぶ。そういう仕組みなんだ