質問通告ルールを守っていない議員は、政党に大きな偏りがあることが分かりました。質問通告2日前のルールを「守っている」あるいは「遅れることが多い」国会議員のお名前を具体的にあげていただきました。
リモート対応やペーパーレス等、デジタル化に「積極的に対応している」「対応していない」国会議員のお名前と具体的事象についてもあげていただきました。お名前があがった議員・政党の所属政党は以下のとおりです。(議員名ではなく、政党名のみの回答された場合も1票として算入しています)
プレスリリース本文には所属政党名のみを記載し、議員名は記載していません。議員のお名前は当社に取材をいただいた場合に開示をさせていただきます。(記事にされる前に、必ず議員ご本人に真偽や当日の事情についてを取材してください。) また、2日前ルールを守れない理由の一つは、国会の開催日程が2日前の段階で決まっていないことです。開催するか否か、与党と野党の国会対策委員会の議員による折衝、いわゆる「日程闘争」が、ギリギリの前日までずれ込んで議論されるような「慣習」があります。しかしその折衝を2日前以前に必ず終えて日程を決めれば、野党は十分な余裕を持って質問を考え、期日前に「質の高い質問」をすることが出来ます。与党は国家公務員を残業させることなく、「質の高い答弁」を用意することが出来ます。何より国民の税金をタクシー代等に使わなくて済みます。このことから、真の問題は国会対策委員会の与野党議員により、過剰にギリギリまで折衝する「日程闘争」であることも、国民には広く知らされるべき事実です。
フリーコメントからも「個別の議員の方々からの配慮を感じるようになっている一方で、結局のところ、委員会の日程が権力闘争の具となっているために、改善の効果は抑制されている。与野党間での調整による日程決定が直前では、個別の議員の方々も2日前通告を実現できないのではないか。(国土交通省 30代)」との意見が見られました。
【質問通告2日前のルールを守っていないことが多い国会議員の所属政党】
「立憲民主党」(回答数70)、「共産党」(回答数61)、「自由民主党」(回答数5)、国民民主党(回答数3)、「公明党」(回答数2)、「無所属」(回答数2)、「維新の会」(回答数1)、「社会民主党」(回答数1)
【質問通告2日前のルールを守っていることが多い国会議員の所属政党】
「日本維新の会」(回答数14)、「国民民主党」(回答数11)、「公明党」(回答数7)、「自由民主党」(回答数7)、「共産党」(回答数2)「立憲民主党」(回答数1))
【具体的なコメント】
・「立憲民主党」について:「通告を一度した後、何度も差し替え、時には前日22時や、休日など、非常識な時間に行うことも多い」(内閣官房)、「定時以降になっても通告すらわからないまま、最後に出された要旨は、「要旨対応問い合わせ不可、要求大臣は全大臣。質問項目は〈内外の諸情勢について〉のみ」(経済産業省)、「前日昼ごろから定時後まで何度も何度も差し替え用紙を送付してくるので、対応に苦慮する」(内閣官房)
・「共産党」について:「夜10時を超えても通告を出さず、全省庁が待機させられました。」(文部科学省)、「レク要求で求めていた資料を出さない限り通告を出さない等、通告を役所との取引に使っている。」(国土交通省)、「国家公務員も労働者であることに配慮してほしい」(環境省)、「緊急事態宣言中にも関わらず、共産党所属某議員の通告が遅く23時まで家に帰れなかったことがある。」(文部科学省)
・共通:同じような内容の問い合わせが多く、「翌日中」までが期限で、基本的にないが遅れると土下座させられることがある。割りもめすると、念のため出勤が増えてテレワークできない。オンラインレクを実施していただける場合もあるが、使用するweb会議システムは議員によって決められていて、うまくつながらないと省庁のせいになる。web会議システムはうまく繋がらないことがあるものであり、通常複数のツールをうまく使っていると思うが、そのようなリスクヘッジを認められないと辛い。(農林水産省)
・共通:議員レク時間に時間どおり行っても議員都合により待たされることが多い。他方、遅れていくようなことがあると、国対等を通じて省全体が注意されることが多い。とにかく待ち時間のロスが非常に多い。(厚生労働省)
・この数ヶ月は以前よりは多少早くなったと思う。が、相変わらず、立憲は要旨が単語(例「コロナについて」)のみしかなく、結局多くの部署が対応せざるを得ない場面は変わってない。共産党は相変わらず遅い傾向。(厚生労働省)
・「立憲民主党」について:「野党ヒアリングの際は、過去に提出したことがある資料にまで当日印刷して持ち込むことを要請してくる。」(法務省)、「対面でのレクを求められ、実施したのち、その日のうちに宿題返しを紙媒体で行い、対面で再レクを求められた。」(厚生労働省)
・「自由民主党」について:「レクに局長級を要求する。レク時にとにかく怒鳴る、など議員としての資質に問題がある議員がいる。」(厚生労働省)、「ホームページにも公表している資料について、紙で印刷して事務所に持ってくるよう依頼があった。」(厚生労働省)、「省庁からアポ取りする際、案件の明確化のためFAXでの申し入れが必要。」(環境省)「大量の役人を呼びつけていた。」(国交省)
・「日本維新の会」「国民民主党」について:共通して「党としてオンラインに積極的。」「比較的リモート対応や電話レクが多い。」というコメントが見られた。 インフラが整った関係で、リモート対応も行えるようになりました。前回時も今回もなかなか改善しないと思うのは、要旨や省庁窓の送付が未だにFAXでしか行われていないことです。まだまだFAXが根強く残っており、早く撤廃されてほしいと思っております。(内閣官房)
・実際に聞くつもりがないのに、大量の質問を出してくる議員がいる。(厚生労働省)
・内閣総務官室や各省連絡室が作るバッター省のシステムの貧弱さについては目を覆うばかり。しかし変えたい本人達にその人的余裕がない。この点、何事もそうだが、紙上の機構定員のスクラップビルドをするという無駄な作業ばかりさせ、実際は定員を少しずつ減らし続けさせ、現場を疲弊させた内閣人事局(かつての行政管理局)の罪は重い。(内閣府)
・審議会を開催する度に、毎回複数の議員事務所に審議会資料を紙媒体で届けることが慣例化しています。審議会の資料は役所のホームページに公開されているので、紙媒体で確認したい場合は各議員事務所で印刷するようにしていただきたいです。膨大な量の資料を印刷し、資料を順番通りに組んで封筒に入れ、霞ヶ関から永田町の議員会館まで電車と徒歩で運ぶ作業をしています。見えないところで相当の時間とマンパワーが割かれておりこのような作業はすべて若手職員がやっています。(厚生労働省)
・野党ヒアリングと称して、役所の同意も得ずに民間人やマスコミを呼び、パワハラまがいのつるしあげが常態化している。また、到底間に合わない期限で資料作成を要求され、期限前に間に合わないと伝えると、執拗にパワハラのような言動を繰り返し、職員の多大なる負担となっている。 特にある党の特定の議員及びその秘書の対応は常軌を逸しており、業務妨害といって差し支えないレベルにある。(法務省)
・質問主意書のルール(スピード感、体裁、内容)を緩和してほしい。閣議決定事項となるためルールが重く、これに当たると、1週間全ての仕事がストップする。一方で議員からは気軽に提出できるのは、不公平感がありすぎる。与党の若手や、国民民主や維新の議員は、リモートやペーパレス、早期通告など時代に合わせた対応をしてくれようとしている感じがする。(国土交通省)
・これまでと比べて1日程度通告が早くなった方がほとんど。これは本当に業務計画が立てやすくなった。(農林水産省)
・担当課がすべて呼ばれ、密状態でレクさせられた。(文部科学省)
・そもそも会議をやるかどうかが決まるのが前日なため、必然と通告も遅くなる。旧態依然とした日程闘争が変わらない限り国会による残業はなくならない。(議員秘書の職場環境も同様では) (総務省)
・すべての議員事務所において、国会の答弁者登録(答弁する者の氏名・肩書の連絡)はFAXである。省庁間の連絡窓口のやりとりが文字のコピーができないpdfでなされ、メール連絡の際にタイプする必要がある、(総務省)
・ある議員が、質問主意書を出さない代わりとして、今すぐ資料を持ってこいと恫喝まがいのことをしています。(防衛省)
・多少早くなったが相変わらず、対面が半分以上で、その理由は、議員の秘書が機械に弱いからではないか。(厚生労働省)