中古車販売大手ビッグモーター(東京)による自動車保険の保険金不正請求問題で、国土交通省は28日、道路運送車両法に基づき、全国34店舗への立ち入り検査を一斉に実施した。問題発覚後、監督官庁が立ち入り検査するのは初めて。
外部弁護士がまとめた調査報告書によると、同社の従業員は故意に車体を傷つけるなどし、整備料金を損害保険会社に水増し請求したとされる。
国交省によると、立ち入り検査の対象は24都道府県の店舗や営業所。内訳は福岡県が6カ所で最も多く、茨城、山口両県が各3カ所、埼玉県が2カ所など。いずれも調査報告書で不正が疑われる行為があったとして、店舗名が記載されていた。
立ち入り検査は午前9時に開始。店舗の整備記録の確認や従業員のヒアリングなどを実施し、問題の実態解明を進める。
浦和美園店(さいたま市)では、関東運輸局の職員3人が検査に着手。店舗内で書類を確認したり、従業員から話を聞いたりした。札幌清田店(札幌市)には北海道運輸局の職員3人、鹿児島店(鹿児島市)には九州運輸局の職員2人が入った。 国交省は26日、同社の和泉伸二社長ら幹部を聴取し、報告書の内容に沿って不正の内容を確認。その結果、道路運送車両法に違反する疑いがあるとして、立ち入り検査が必要と判断した。
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