和田秀樹氏は『80歳の壁』など、多くの著作で知られる医師です。毎日新聞医療プレミアの『「老い」に負けない ~健康寿命を延ばす新常識~』において、「私自身が200以上の血圧を何年も放っておいて平気だったように、今は血圧が200以上でもまず血管が破れることはない」と書いておられました*1。
高血圧は脳出血の介入可能な最大のリスク因子です2。最適治療目標など細かい議論はあるものの、基本的には、血圧を下げる治療が、脳出血をはじめとした脳血管障害(脳卒中)や心筋梗塞を代表とする心血管疾患を減らすことについて専門家の間で議論はありません。和田秀樹氏自身が「200以上の血圧を何年も放っておいて平気だった」のが事実だとして3、一般読者が「収縮期200mmHg以上の血圧を何年も放置しても平気なのだ。放置してよい」と解釈しうる文章を書くのは医師として不適切だと私は考えます。
質問抜粋:
質問1:「今は血圧が200以上でもまず血管が破れることはない」という和田氏の主張の根拠は何ですか?
質問2:過去の和田氏の発言を鵜呑みにして200mmHgの高血圧を放置している読者がいたとして、放置したままでよいと思われますか?
質問3:和田氏が自身のクリニックで高額で提供している医療にエビデンスはどれぐらいありますか?「私の師匠で世界抗加齢医学会副会長のクロード・ショーシャ先生のメソッドで彼の40年、数千件の臨床成績を信じているだけ」とのことですが、ショーシャ先生が発表した論文を和田氏は検証しましたか?
最近「和田」「高血圧放置」を何処かで見た気がするなと思ったら、近藤誠の盟友()だったw