結局、95年辺りからこちら、そういうことを真面目に考えている余裕はまったくなかったんだよな。もちろん、金がなかったわけでは決してなかったんだけど、そういう長期的な、本来の国のあり方とか考えている気持ちの余裕がなかったということね。
バブル崩壊の影響って、単に名目の損失額じゃなくて気分的なものが大きいと思うんだよな。アメリカを追い越せるかもと思うくらい調子に乗っていたのが、一気に叩きのめされたから、そんでもっていつまで経っても終わらない不良債権処理に、震災が追い打ちをかけた。
ギャンブルに負けた人が、冷静さを失ってどんどんつぎ込むのと似たような感じよな。ちょっと本気を出せばすぐ取り戻せると思っていたから、長期的な人材育成やビジョンの見直しなどは放棄して目先のコストダウンにどんどんハマっていった。で、気がついたら30年。放置された宿題の山。