僕は発信しない傍観者ですが、観察はしています。Twitterから「X」になり、インプレッション数がお金に直結する仕組みができたことで、「いかに目立つか」を追求する流れが加速している。党派性が強まり、極端な意見を言う人が増えて、本当は反対でも賛成でもないのに極論を言うとインプレッションを稼げるので、そこに乗っかっていく人が増えて──と極論のインフレ状態になっています。SNSという場所は、最終的に必ずそうなる運命なのかもしれませんね。
SNSでは案外、自分の主張をろくに持たない人の方が強い点も興味深く見ています。「みんながこういうことを言いたがっている」という内容を、極端に言い換えて代弁するのが、最もインプレッションを稼げる方法だからです。つまり「主張のない人ほど極端なことを言う」というねじれた状況になっている。インプレッション欲しさに発信していた極論が次第に内面化され、過激化していって、それがお金にもなってサバイブしていく人が作家の中からも現れたりしています。良いか悪いかはともかく、そういう魔境みたいな場所になっているなと見ています。