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ニュース「アスクル物流センター火災で古紙回収業者に約51億円の賠償命令」

オフィス向けの事務用品を中心に通信販売を行うアスクル株式会社。その物流センターで2017年に火災が発生しました。アスクル側は、火災の原因は、当時出入りしていた古紙回収業者、株式会社宮崎(愛知県清須市)の従業員による不適切なフォークリフトの使用にあると主張。2020年8月6日、約101億円の損害賠償を求め、東京地方裁判所に提訴していました。4月26日、東京地裁は、株式会社宮崎側の過失を認定、約51億円の損害賠償を命じました。

その後、消防による調査の結果、火災の原因がフォークリフトの不適切な使用にあったと判明。当時、倉庫内では、株式会社宮崎の従業員がフォークリフトを使用した作業を行っていました。

株式会社宮崎は、愛知県清須市に本社を置く、古紙回収・リサイクル事業者です。アスクルと宮崎は、段ボールなどの再生資源に係る継続的売買契約を締結しており、当日も、火災のあった倉庫の端材置場で、宮崎の従業員が再生資源の引渡しなどの作業を行なっていました。

その際、宮崎の従業員は段ボールが1.5~3メートル積み上がった部屋で、作業スペースを確保しようとフォークリフトの前進・後退を反復。段ボールなどがフォークリフトのエンジン部分に入り込み、高温の排気管に触れて着火したということです。

アスクルは、消防が作成した火災原因判定書を確認後、2019年4月から宮崎と複数回面談を実施。火災でアスクルに生じた損害や火災原因を説明した上で、損害賠償などについて協議を重ねたといいます。しかし、合意には至らず、アスクルは、2020年8月6日、宮崎に対し101億591万6,808円の損害賠償およびその遅延損害金の支払いを求めて東京地方裁判所に提訴しました。

宮崎側は、「段ボール混入による着火は予見できなかった」旨を主張しましたが、東京地裁は、フォークリフトの説明書に「排気管付近に燃えやすいものがあれば火災の恐れがある」と書かれていたことなどを指摘。宮崎の従業員に着火の予見可能性があったと認定しました。

一方で、アスクルの従業員が火災報知器の誤作動と誤解してスイッチを切った点をアスクル側の過失と認定。全損害額を約125億円と算定したうえで、2割を過失相殺した約100億円の賠償責任を宮崎側が負うと判断しました。

最終的に、アスクルは、保険金として既に49億円を受領していたことから、これを差し引いた約51億円の賠償が宮崎に命じられています。

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