【注意喚起】
来月から、救急医療の崩壊が始まります。
2024年4月に医師に対する働き方改革の猶予期間が終わります。とはいえ、多くの病院は働き方改革なんて形骸化させる気満々でした。
しかし甲南医療センターの専攻医自殺をうけ、明らかに潮目が変わりました。
病院の上層部は自分が刑事責任を問われる可能性を突きつけられ、地域医療を捨ててでも法令を守る方向にシフトしています。
本来、夜間当直した医師は翌日勤務が出来ません。さらに診療報酬改定が重なりICU専任の当直医が必要と明文化されたため、最低2人抜けます
多くの病院はこれに耐えられず、「宿日直許可」を取りました。
宿日直許可は「常態としてほとんど労働をする必要のない勤務」という条件で、当直を労働時間にカウントせずにすむ特別ルールです。
ただこの運用で可能なのは病棟急変と精々かかりつけ対応までであり、夜間救急を断る病院が急激に増えます。
いま私がいる県は、救急受け入れ病院の8割以上が宿日直許可を取りました。他県も同様です。
その結果、交替制に耐える人員がいる三次救急の大病院に、今まで地域の2次救急で対応していたアルコール中毒や転倒など軽傷者が押し寄せます。
最悪なのは重症患者が搬送できないことですが、激痛だけど命にかかわらない尿路結石などは何時間待たされることになりかねません。
いまだに宿日直許可を取得した上で違法な労働を強いる気の病院も多い一方、すでに県立奈良病院が敗訴した判例がある上、ICU加算の差し戻しリスクが生じたのでリスクがビットコイン並みに高騰しています。
夜間救急は縮小され、合法非合法はともかく残った病院に負担が集中するのは確実です。
もし身体に異変が生じたら、何としても日中に受診しましょう。 寝不足から開放された医師から、今までより少しいい医療を受けられるかもしれません。
また無病で生きるのは困難です。痛み止めなどの常備薬を準備しておくと、過去の自分に心の底から感謝するタイミングが来ると思います。