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なぜ人文学者は、遠からずChatGPTに置き換わるのか

ChatGPTのような生成AIが文章を書く原理は、ちょうど「あー……書く、書く」タイプの失語症と同じなわけです。ある語彙の次には、だいたいこの語彙が使われる、というアルゴリズムで用語を並べていくけど、本人というかAIは、使う言葉の意味をわかっているわけではない。

お役所の答弁なら「もうChatGPTで書けるのでは」と言われるように、定型句が逸脱なしに組み合わさっていることが大切で、ぶっちゃけ内容はあってもなくても別にいいタイプの文章は、生成AIに外注するのに向いています。

そして、実は「在官」の人文学は着実に、そうした「ChatGPT型の失語症」へと近づいています。なにを隠そう、ポリコレ論文の書き方って、同じアルゴリズムなんですよ。

次々に新語が出てきて意味はよくわかんないけど、でもとりあえず「この辺はワンセットで使う」という語彙のグループが決まっている。あとは、任意のトピックをそこに代入して、ずらずらと毎回同じ組み合わせで文章を綴ればよいだけ。

たとえば、「なぜ○○が喫緊の課題なのか。人新世の時代には、私たちはグローバルに思考すること、つまりナショナリズムに囚われず、ジェンダーギャップを克服し、しかしトランスジェンダー排除に陥らず、多文化主義と脱植民地主義に貢献する、インターセクショナリティの観点に立つことが求められるからだ」とか書いておけば、○○に入れるのはその日のTwitterでトレンドに挙がった用語でいいわけです(苦笑)。