全国の新聞社やテレビ局、IT企業、広告代理店が加盟する団体が、偽情報の拡散を抑止するため、インターネット上の記事や広告に発信元の情報を付ける技術の開発を進めている。ユーザーが発信元を確認して、信頼できる情報かどうかを判断しやすくする。
この技術は「オリジネーター・プロファイル(OP)」と呼ばれ、記事や広告に、第三者機関が確認した発信元の企業情報やコンテンツの編集方針をひも付け、表示する仕組み。来年、米グーグルの「クローム」などの閲覧ソフトにこの機能を追加できるようにする計画だ。
ネット上には真偽不明の情報も多い。報道機関の配信記事の見出しや内容を改ざんするケースも発生している。生成人工知能(AI)の技術進化で、コンテンツが真正かどうかを見極めるのが難しくなっている。
OPの技術研究組合の理事長は「日本のインターネットの父」と呼ばれる村井純・慶応大教授が務める。村井氏は「偽情報の拡散が抑制され、質の高い記事や広告の利用が増えれば、ネット空間の健全性が高まる」と意義を強調する。