マクロン氏はパリで行われた会見で「世俗主義が必ずしも適切に用いられておらず、明確ではないという感覚がある」「世俗主義について大きな議論を開始し、対処しなければならない問題について明確な措置を講じる必要がある」と述べた。
フランスの世俗主義に関する法律は、国民が宗教を自由に実践する権利を保障しつつ、国家の宗教的中立を維持することを目的としている。
だが、人権団体は、そうした法律によってイスラム教徒の女性スポーツ選手がヘッドスカーフを身に着けてパリ五輪に出場するのを禁止されるなど「差別的」だと批判している。サッカーやバスケットボールのクラブチームでも同様の扱いとなっている。
マクロン氏は世俗主義の原則に関する議論には「公選された全議員」だけでなく、日常的にこの問題に直面する「団体や企業」も加わるべきだとの述べ、いかなる決定も「情熱」ではなく「良識」に基づいたものであるべきだと付け加えた。
マクロン氏は、世俗主義は「良心(の自由)の尊重と、すべての人の共存を実現するとともに」国民を守るものだとの認識を示した。
フランスは2004年、学校で児童・生徒が「宗教的な帰属を明示するシンボルや衣服」を着用することを禁止。ヘッドスカーフやターバン、大きな十字架、キッパ(ユダヤ教徒の帽子)などが対象となった。
だが、一部の人権団体はフランスの世俗主義の原則について、イスラム教徒の女性を過度に公の場から排除しているのではないかと批判している。(c)AFP