日本の政治の一番の問題点は、日本の政治家にはありません。
それは当たり前の話です。
政治家というのは、国民という畑から生えてくる存在です。
畑から生えた野菜が問題だらけなら、収穫した野菜を責めてもなんにもなりません。問題があるのは「畑」です。つまり、政治家に問題があるのなら、その原因は国民にあります。
それを直視せず、「日本の政治家はクソ」と言い続けても、政治が好転するサイクルに入れないのは当たり前のことです。
最近、みずほ銀行でもKADOKAWAでもそうですが、大規模なシステム問題が起きた企業が急遽「全てを解決してくれる技術者募集!」といって求人を出し、「年収800万円」←低すぎるだろ! と笑いものにする流れがありますよね。
それって「優秀な人材を招きたければ、相応の報酬を払え」って、至極単純なお話だと思うんです。
じゃあ、政治家の場合はどうですか? 日本人って、優秀な政治家が欲しいんですよね?
議員報酬を上げようといえば「ロクな仕事をしていないのに、税金から金をムシるのか」といい、有能な人材を招くために報酬を上げるという、至極真っ当なことすら反対します。
では、精神的な部分で報酬があるのかといえば、日本国民ってみんな内心では政治家をバカにしきってますよね。落選すれば指をさして嘲笑の的にして、それが当たり前の政治家の扱いだと思っているわけです。用済みになったら、汚れた雑巾をゴミ箱に捨てるように、ただの人に戻った政治家を蔑むわけです。
政治家がクソだ。政治が良くならないものか、と言っておきながら、カネも払わなければ、単に「敬意を払う」という簡単なことすら拒否する。
それで、
「あー、今の政治家ってクソだなあ。誰か優秀な人が政治家になってくれないものか。日本で五本の指に入るくらい有能で、汚職なんかもせず、俺たち日本人を愛してくれていて・・・そんな人が政治家を目指さないのって、不思議だなあ」
って、いやいやいや、バカかよテメェは。としか言いようなくないですか?
まず、テメェがその扱いにふさわしいほど立派な人間なのか、鏡見ていっぺん考えてみろや。って話です。
そんなクズ相手に誠心誠意身を削って尽くそうなんて奇特な人、いるわけないでしょ。まあ石丸伸二とかは三菱東京UFJ銀行を退職して市長になりましたけど、そういう激レアケースを除けば、有能で政治家になりたい人なんて少ないですよ。
だって、有能な人材って有能なんですから、そこそこ頑張ってれば安定して生きていけるわけです。なんで好き好んで「選挙に落ちたら即・無職」なんていう特大のリスクを背負った「政治家」なんて職業を選ばなきゃならないんですか。
そんな環境で政治家になりたがるのなんて、「政治家はカネになる」と考えた無能と、親から政治基盤を受け継いだ二世議員くらいです。
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「日本の政治の一番の問題点は何ですか?」
という質問ですが、これは明確です。日本人が一番の問題点です。
政治家をバカにするのではなく、敬意を払ってください。
あなたの政治信条と反する人が、もし目の前で落選したとしても、肩を叩いて「お疲れ様でした」とねぎらってあげてください。それは難しい事かもしれませんが、次代の政治家を生み出すためには絶対に必要なことです。