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橋迫瑞穂氏による障害者差別について、所属機関に告発します

第一に、近年はうつ病を始め、メンタルの病気の体験をカミングアウトして、言論活動を行う著者は多い。橋迫氏のような、病気を理由に相手の発言権を否定し、抗議を受けても「あなたの悪口ではなく、煽ってけしかける人への批判だった」と居直る姿勢を放置するのは、そうした人たちの言論の自由を危うくするものと考える。

第二に、リンチ的な言論弾圧としてのキャンセルカルチャーの概念が定着するのに伴い、「それを言ったら、社会的な弱者の正当な抗議が難しくなるではないか」との反論が寄せられる例も増えている。もちろんそんなことはなく、不法なキャンセルに陥らないまっとうな抗議活動は、法と秩序の下でも十分に可能なことを示したいと思う。

なお橋迫氏(と嶋氏)は、「中傷や差別的言動を生み出す文化を拒絶し批判することで、誰もが参加できる自由な言論空間」を希求したことで知られる、著名なオープンレターの署名者でもある。

他人を叩けるときには中傷や差別といった語彙を振り回し、自らが批判されるや免罪符のようにそうした署名の実績を楯にする不誠実な学者の存在については、彼女が「当たり前ですが一切支持していません」と侮辱する、アゴラでの連載の第1回(2021年11月3日)から一貫して指摘してきた。

実際には差別をなくそうとする意志などないが、しかし勢いのある「差別批判祭り」には乗っておいた方が、自身が行う差別に批判の矢が向くリスクを低くできる。そうした自己欺瞞でなされる「署名ロンダリング」は、キャンセルカルチャーを暴走させる大きな要因であり、狭義の署名偽造と比べても責任は軽くない。この問題についても、改めて提起したい。