2024年11月17日の兵庫県知事選挙において、斎藤元彦氏が当選した。パワハラ疑惑や内部告発への対応などで批判にさらされ、県議会で不信任決議案が全会一致で可決されて失職した斎藤氏の逆転劇に対して、「大手新聞やテレビなどのオールドメディアを信じず、SNSや動画サイトでの真偽不明の情報に踊らされた民衆が斎藤氏支持に回った」などの論評が、一部でなされている。筆者は社会心理学を専門とする大学教員であるが、「論理的思考が苦手なほど、SNSの情報を信じ、斎藤氏を支持したのか?」という問いを立て、選挙後の11月21日と22日にオンラインでのアンケート調査を実施した。すると、必ずしもそうとは言えない結果が得られた。むしろ、兵庫県民においては、論理的思考が得意な人の方が、“斎藤氏は被害者だ”と考える傾向が、非常に弱くではあるが認められた。研究者による調査結果は、本来学術論文の形でまとめるのが筋であろうが、テーマの性質上、速報性が大事だと考え、ここで簡単に報告したい。なお、この研究は、昭和女子大学の榊原良太准教授との共同研究で、このnoteも大薗がメインで書いたうえで、榊原が内容をチェックし、修正している。初めてnoteに投稿するため、見にくい、こなれていないなどの問題があるかもしれないが、ご容赦いただきたい。