【3月5日 AFP】子どもを中心とした患者299人に対する性的暴行やレイプの罪に問われているフランスの元外科医ジョエル・ル・スクアルネック被告(74)は4日、自分は「良き外科医」と、患者への性加害に良心の呵責(かしゃく)を持たなかった「性的倒錯者」という二面性を有していると供述した。
フランス史上最大級の児童性的虐待とされる本件の裁判は、西部バンヌで2月24日に始まった。
犯行は1989~2014年に複数の病院で、麻酔から覚めた時や手術後の検査中に行われたとみられている。被害者のうち256人は15歳未満。
被告は公判で、「私の小児性愛行為と職業上の行動は別物であり、小児性愛行為は職業上の行動に何ら影響を及ぼしていない」「理解できない人もいるだろうが」と供述。
自身の立場を利用して、幼い患者たちを性的に虐待したことを認めた。
さらに職場で昼休みに児童ポルノを見ていたことを淡々と告白。そのことが仕事に「有害な影響」を及ぼしたかもしれないとも述べ、「私がしたことの責任はすべて私にある」と続けた。
被告は3日、ペドフィリア(小児性愛者)であることと良き父親であることは矛盾しないとも主張。
3人の息子についても、「妄想」したことを認めたが、実行に移したことはないと訴えた。
次男(42)は先週法廷で、自身が5~10歳の時、祖父(被告の父)にレイプされ、性的虐待を受けていたと証言した。
被告は2020年、めい2人を含む子ども4人を性的虐待した罪で有罪となり、既に服役している。(c)AFP