飼い主のいない猫の保護団体に所属する熊本市の女性宅から、多数の猫の死骸が見つかった。団体の代表者が2日に現地で確認した結果、死骸は100匹前後で、衰弱状態で見つかった猫も数匹いたという。飼育数が増えすぎて世話ができない「多頭飼育崩壊」の可能性がある。市動物愛護センターは動物愛護法違反(虐待)容疑での刑事告訴や告発を視野に調査している。
団体によると、主に保健所が保護した犬や猫を預かり、飼い主を探す活動などをしている。女性は猫の担当で、保健所経由とは別に独自で猫を預かっていたとみられる。代表者は取材に「女性の管理責任があり、大変申し訳ない」としたうえで、「女性は預かりを希望する人からお金をもらって、飼育せず放置していた可能性がある。団体の名前を使い、色んなところから猫を集めていたようで、どれだけ猫がいたかも把握できない」と話した。女性に説明を求めたが、「ごめんなさいと謝るばかりで、具体的なことはわからない状態」という。
問題は5月下旬、代表者に「預けていた猫が死んだ」との相談があり、同様の情報を得た別の保護団体もこの家で複数の死骸を確認して発覚した。女性が所属する団体と、いくつかの保護団体が6月2日、県警の立ち会いのもとで現地で死骸を回収し、市動物愛護センターも立ち入り調査を行った。
座小田英史 伊藤隆太郎 飯島健太2025年6月3日 18時40分