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左派が無視すべきでないトランスジェンダー関連の課題

■ TikTokの#detransitionバズ…「トランス撤回」「トランス後悔」の事例

トランスジェンダー医療からのデトランジション(転換撤回)や後悔を告白する動画がバズったことが、昨今の急激な反トランス風潮の原因となった。

当事者の多くはトランス医療を継続するが、医療費が払えなくなったという経済的理由で断念したり、そもそも「トランス診断が誤診だった」という理由で撤回する場合がある。

以下の属性は誤診によるトランス治療の撤回が多いハイリスク群とされている。

  • ASD児は元々、性別規範への違和感が強い傾向にある。GD児は一般人口の3~6倍のASD傾向と報告され、トランス誤診→撤回リスクが高い。
  • 未治療のうつ・不安・パーソナリティ障害などが「自分は性別が間違っているせい」と誤帰属されるケース。10,000例規模の英国GPデータでGD児の半数超が不安・抑うつ歴。
  • 性的虐待・いじめによる身体嫌悪や同一性混乱をGDと誤認。フィンランド症例9例中6例が性的虐待歴あり。
  • 性的指向・性自認の区別が曖昧で、GD治療後に「実はシスジェンダーの同性愛だった」と気づくケース。

あまり考えてない左派はデトランジション事例自体を知らない傾向にある。そうした知的怠惰さが、「トランスジェンダーなど存在しない」と言い張る、未だに聖書にすべての正解が書かれていると妄信する病的な宗教右派に利用されている。「トランスジェンダーなど存在しない」も「誤診など存在しない」も、両方愚かなのである。トランスジェンダー医療には誤診を防ぐためのASDスクリーニングや精神障害・パーソナリティ障害・被虐待経験のスクリーニングが非常に重要であり、不可逆的措置である外科手術などは18歳以降に行うなどの、不安定な未成年の保護こそ重要である。

■ 女子スポーツの公平性

  • 思春期にテストステロンを浴びた身体は骨格サイズ・肺容量・赤血球量が大きいため、持久系やパワー系で潜在アドバンテージを残す可能性が指摘されている。
  • 上半身筋力を多用する投てき・格闘技では差が残りやすいとされている。
  • 性ホルモン療法2年以上で筋量・酸素摂取量は大幅に低下し、走力指標はシス女性と統計的に同等になった追跡研究もある。
  • 直観的に分かりやすい「身体的優位」像が拡散しやすく、エビデンスの細部(種目依存・時間経過)は伝わりにくい。

女子スポーツでトランス選手が「片っ端から無双」し続けているかというと、水泳のリア・トーマス選手など世界で十数例程度でしかない。毎回大きく報道され、トランス選手の優位性が過大評価されている可能性がある。しかしトランス選手が優位というエビデンスのある種目もあり、治療期間による差もある。そうした個別要素が無視されて「男性が女性枠内で全面的に勝っている」とセンセーショナルに報道されがち。

多くの競技団体が近年テストステロン基準を厳格化(例:World Athleticsは5 nmol/L以下を24か月維持)し、女子カテゴリーでの継続的優位を構造的に得にくい方向へルールが動いている。ルールの改定がないとスポーツの価値にかかわるフェアネスが崩壊するため、競技団体は慎重に対応する必要がある。このテーマに対して、右派は「男性が女性枠内で全面的に勝っている」と元男体の優位性を過大に強調し、左派はスポーツにおけるフェアネスの重要性を軽視した。

■ シス女性がMtFレズビアンを拒否する「Lによる差別」問題

  • イギリスBBCが2021年に「レズビアンはトランス女性から性的圧力を受けている」と報道し炎上。「Get The L Out」などMtF排除を掲げるレズビアングループが可視化。
  • オーストラリアで2023年、メルボルンの団体「LAG」が「出生女性限定レズビアンイベント」開催の法的免除を申請して炎上。
  • カナダのTikTokで「シスレズビアンがレズビアン向けデーティングアプリでペニス写真を送られた」といった体験談が投稿され、MtFレズビアン嫌悪が拡散。
  • ノルウェー・スウェーデンなどでも法制面でトランス包摂が進む一方、小規模なMtFレズビアン排除派集会の報告がある。

シス女性のレズビアンがMtFレズビアンに対し「男性器がついている人をレズビアンである私は恋愛対象にできない」「レズビアンである私にとって顔や体格が男性的で好みでない」と拒否することを、MtFレズビアン側が「トランスフォビアである」「差別だ」と訴え、ずっと平行線を辿っているのがこの問題だ。LGBTのうちLとTで揉めているのである。

トランスの性についての問題は国内でも「すべてはパス度の問題である」と言われるように、容姿が良いMtF(佐藤かよ等)は蔑視されるどころか非常に歓迎されている。あまり容姿が良くないMtFについては男性トイレでも女性トイレでも排除的な目を向けられ、ホルモン治療による情緒不安定などもあって自殺率が高いなど深刻な問題がある。ただ、そもそもの話、容姿が良くない人間がマッチングにおいて排除されるのは「性的多数派」であっても同じである。「シスレズビアン限定パーティー」と「30歳以下女性と年収800万円以上男性限定の婚活パーティー」、何が違うのだろうか?そのため「マジョリティもセックス市場では苦しみを味わうものなのに、マイノリティだからと下駄を履こうとするな」という憎悪をもって語られやすいテーマである。

追記:ブコメで「こいつはTERFだ」と「こいつはTERFじゃなくミソジニストだ」と書かれてて笑った。それで、書き手がどういう差別主義者なのかを認定したら、何が解決すんの。そういう、差別者と認定するだけのお仕事を10年繰り返したから負けたんじゃないのか。その手法、「そうです私は差別者です」と返されたらお終いなんだよ。キリがない新差別の定義付けと差別者認定を繰り返し、その手法をまだ重ねようとしているから今後も負けるんだよ。参政党批判のアプローチもバカ丸出しだったな(参政党のことは当然批判的に見ている。左派は参政党支持者に対して馬鹿の一つ覚えのように「レイシストだ」と認定だけやり続けたのがとにかく馬鹿だと、認定以外なにもできない、プレゼン下手の、無能の、怠惰な馬鹿だから必ずまた負けるのだと言っている)。衆院選でも左派は負けるよ。