■ 1. 移民の定義と日本の現状
- 移民の定義:
- 国連: 1年以上他国に滞在する人を指す。
- 日本: 永住権を保持し、長期的に居住する人を指す。
- 難民受け入れへの誤解:
- 日本では、難民が単純に労働者として定住することは不可能である。アメリカ合衆国と日本の入国管理システムは根本的に異なる。
■ 2. 米国と日本の外国人労働者雇用システムの比較
- 本人確認:
- 米国: 雇用主はForm I-9で書類を目視確認する。提示書類が本物らしく見えれば受理する義務があり、中央データベースとの照合は必須ではない。
- 日本: 雇用主は在留カードで在留資格・期間・資格外活動許可の有無を確認する義務がある。さらに、ハローワークへの外国人雇用状況の届出が全事業者に義務付けられている。
- 罰則:
- 米国: 不法就労者の知情採用には、主に文書管理や監査を伴う民事罰(罰金など)が科される。
- 日本: 不法就労助長罪により、雇用主には3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金といった刑事罰が科される。この厳しい罰則が不法就労を強く抑止している。
■ 3. 不法滞在と強制送還
- 不法就労の困難性: 雇用主側の罰則が厳しいため、不法滞在者が日本で働くことは極めて困難である。
- 難民申請の改正: 入管法改正により、難民申請を繰り返すことによる滞在は不可能になった。これにより、犯罪を犯した不法滞在者は即座に強制送還される。
- 強制送還の実態: 日本でも年間2万人、日本人も年間数千人が不法滞在で強制送還されている。
■ 4. 日本における外国人労働者と永住権
- 一般労働者の永住権取得:
- 就労ビザ: 雇用主が申請し、日本語能力試験(JLPT)N4レベル程度の日本語能力が求められる。
- 永住条件: 10年以上日本で働き、税金や社会保険料を納める必要がある。犯罪歴がなく、年収400万円程度を要する。
- 技能実習生制度: 「育成就労制度」に移行することが決定しており、日本人と同等かそれ以上の賃金支払いが法律で義務付けられる。
- 高度人材の永住権取得:
- ポイント制: 安倍元総理が導入したポイント制により、70点以上で3年、80点以上で1年で永住権を申請できる。
- 条件: 大学院卒、高年収(2,000万円程度)などの条件を満たせば80点に達する。
- 高度専門職の増加: 2023年末時点で23,958人、2024年末には約2.9万人に増加する見込み。
■ 5. 保守と外国人受け入れ
- 保守思想と移民:
- 右翼や保守は外国人を排除するという誤解があるが、安倍元総理のように「同盟国を増やして敵に対抗する」という思想が基本である。
- 経済協力開発機構(ODA)を通じてアフリカ諸国との関係を強化するなど、外国人受け入れは保守と矛盾しない。
- 外国人運転免許:
- 警察庁の方針により、観光客などの短期滞在者は、住民票が作成できないため、外国の運転免許証を日本の免許証に切り替える「外免切替」は認められない方針となった。