■ 1. 「女衒フェミ」の定義と台頭
- 概要: 夜の仕事へのスカウトを専門とするインフルエンサーが「ツイフェミ」として台頭し、SNS上で大きな勢力となっている。
- 代表例: 「パキちゃん」「おめぐ」といったアカウントは、パパ活アプリの誘導や性産業のスカウトを公言している。これらのアカウントの多くは男性による運営が疑われている。
- 影響力: かつて論壇の中心にいた学者フェミニスト(小宮友根、清水晶子など)を凌駕し、4~5桁のリポストを獲得する常連となっている。
- 主張内容: 「男は女に金を払え」「いい男・メロい男に夢中、キモい男・弱男は近寄るな」といった主張が、広く女性からの共感を呼んでいる。
■ 2. 夜職とフェミニズムの関連性
- 従来のフェミニズム: 20世紀のフェミニズムは、夜職を「生活困窮による被害者」として捉えていた。
- 現代の夜職:
- 近年の傾向として、ホスト遊びや整形、ブランド品購入などが動機であり、生活困窮が理由ではないケースが多い。
- コロナ禍以降、海外での売春も増加し、受け身の被害者という描写は成り立ちにくくなっている。
- 与謝野晶子の見解: 1916年(大正5年)の私娼に関する与謝野晶子の論考は、現代の夜職の状況と類似した側面を指摘している。
■ 3. 「女衒フェミ」の次なる展開
- レンタル怖い人:
- 典型的な「女衒フェミ」アカウントが「レンタル怖い人」サービスを宣伝し、SNS上で大きな話題となった。
- このサービスは、特定商取引法に基づく表記がないことや、恐喝罪成立の可能性など、法的な問題が指摘され、サービスを終了している。
- この動きは、一部の女性が「自分に優しい暴力」を求める傾向と結びついている可能性を示唆している。
- 全学連の事例:
- 警察庁が「極左暴力集団」と呼ぶ中核派全学連に、夜の仕事で働きながら活動する女性(整形依存を乗り越え、自己の主体性を保つために「女王様」として働く)がいることが報じられた。
- この事例は、女性による女性のための「夜職フェミ」が存在し、それが左派フェミニズムの本流に位置づけられつつあることを示唆している。
■ 4. まとめ
- 「女衒フェミ」はフェミニズムの名を騙る偽物ではなく、多くの女性の共感を得て、SNS上で影響力を拡大している。
- 「レンタル怖い人」や全学連の事例は、「夜職フェミ」が従来のフェミニズムの枠を超えた活動へと展開している現状を提示している。
- 女性の「美意識」や「ルッキズム競争」は、男性とは関係なく、女性コミュニティ内で過激化している側面がある。