/note/social

「プーチン大統領が攻撃をやめないから」ではない…ウクライナ戦争が永遠に終結しない

要約:

■ ドイツ軍需産業の「絶好調」と背景

  • ラインメタル社の記録的な好調: ドイツの軍需大手ラインメタル社は、今年前半期の売り上げが記録的な絶好調となり、巨額の利益を計上した。これは、ウクライナ戦争による軍拡ブームが主な原因である。
  • 自動車産業との対比: CO2削減で苦しむ自動車関連部品部門とは対照的に、戦車などの軍需部門は化石燃料使用の規制もなく、世界中から巨額の注文が殺到し独り勝ちの状態にある。
  • 事業拡大への強気な姿勢: 同社は造船所の買収で軍用艦製造に乗り出すなど、陸・水・空・宇宙での活躍を目指す強気な事業拡大を進めている。

■ 投資環境の変化と公的資金の投入

  • 軍需産業への投資タブーの解禁: 昨年12月より、地政学上の条件変化を理由に投資ファンドによる軍需産業への投資制限が緩和され、事実上解禁に近い状態となった。
  • EU補助金の投入: ウクライナ戦争でEUの国防能力不足が露呈したため、EUは弾薬生産を高めるASAP法を制定し、2024年3月には最初の補助金として約800億円が弾薬製造プロジェクトに注ぎ込まれた。
  • 欧州全体の軍需ブーム: この補助金などを背景に、ヨーロッパ全土で防衛関連の工場建設が進み、弾薬生産は大幅に増加する見込みであり、軍拡の波はEU全体に及んでいる。

■ 「ロシアの脅威」を利用したドイツの軍拡

  • 防衛費拡張と憲法改正: ドイツ政府は「ロシアの脅威」を大いに利用し、国民の恐怖を煽ることで、今年3月には憲法改正までして防衛費の拡張を達成した。
  • 政治家による軍拡への強い意向: メルツ首相は「ドイツをヨーロッパ一の軍事大国にする」、ピストリウス国防相は「ドイツを戦闘能力のある国にする」と豪語するなど、軍拡に強い意欲を示している。
  • 徴兵制復活の現実味: ピストリウス国防相の計画には、国防軍の兵士増強や徴兵制の復活が含まれており、国民不在のまま国防に関する議論が進んでいる。

■ 和平を望まない政治家・投資家の思惑と日本への警鐘

  • 和平の兆候で株価下落: NATO事務総長の発言などで和平の可能性が匂った途端、軍需企業の株価が一瞬で下落した事実があり、投資家は戦争継続を望んでいることを示唆する。
  • 政治家の本音: メルツ首相やマクロン大統領が軍事支援を止めないのは、戦争が続いてこそ軍需産業が儲かるという、政治家や投資家の本音が背景にあると筆者は見ている。
  • 日本への警鐘: ドイツの軍拡ブームを見るにつけ、筆者は日本も国防のあり方について真剣に考えるべき時が迫っていると強く感じている。

MEMO: