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依然として「小泉進次郎総理」爆誕が既定路線だが…自民党が直視できていない総裁選後の不安定すぎる足元...

要約:

■ 1. 総裁選の基本情勢

  • 小泉進次郎氏の優位: 議員票でかなり優位な展開をしており、「小泉・本命」「高市・対抗」という構図は変わらない
  • 支持基盤の厚さ: 後見役の菅義偉氏、大御所の岸田文雄氏、キングメーカーの麻生太郎氏から悪くない対応をされ、実務級の中堅政治家が分厚く支持している
  • 側近の失言による減速: 日本テレビとJX通信社の調査では序盤リードが側近の失言で急減速したが、依然として議員票では優位
  • 昨年の教訓: 昨年総裁選で大本命と見られていた小泉氏が墜落して決選投票にも上がれなかった経緯を繰り返している

■ 2. 石破茂政権の遺産と問題

  • 少数与党への転落: 石破茂政権下で幹事長・森山裕氏の希望により早期解散総選挙を実施し、惨敗して少数与党に転落した
  • 政治とカネの問題再燃: 各支部に2000万円払って寝た子を起こす形で政治とカネの問題が再燃した
  • 衆院選の不要性: 次の総裁が首班指名で総理大臣に選出されれば、最長3年は衆議院選挙をやる必要がない
  • 派閥政治の問題: 岸田文雄氏の退陣後も派閥政治、政治とカネの問題が再びクローズアップされてしまった
  • 裏金議員の処遇: 政治資金報告書未記載議員(裏金議員)の処遇が裏テーマとして重くのしかかっている

■ 3. 小泉進次郎氏の選挙戦術

  • 横綱相撲: 出陣式で他候補を引き離す90人以上の議員・代理の出席を集めた
  • 党員・党友票のトップ: 党員・党友の得票ではトップになっている
  • 裏金議員への配慮: 「一生活躍の機会がないのはいいのか」という表現で不記載議員の要職起用を検討する旨の議員票目配せ記事が出た
  • 国民の失望リスク: 総裁選で勝ち切るための発言であっても、国民有権者からすれば小泉氏でも自民党の古い政治は変わらないのではないかと残念がらせる内容

■ 4. 高市早苗氏の戦略と問題点

  • 保守派への配慮: 安倍晋三氏の後継として旧清和政策研究会(安倍派)議員からの熱い期待を背に受け、ネットの岩盤支持層も含めた保守派への配慮を欠かさない
  • 軌道修正の試み: 出馬記者会見では側近の「顔が濃い」発言で物議を醸したが、消費税減税や靖国参拝問題では微妙な軌道修正をしている
  • 支持者のハシゴ外し: ネットで熱い支持を受けてきた高市氏が、その支持者のハシゴを外して現実的な政治が敷けるのかどうかが極めて重要な局面
  • スマホ中毒の懸念: 候補者討論会でいきなり奈良県名物シカと外国人旅行者の話をし始め、「鹿市早苗」などの揶揄も飛び出し、ネットミームにどっぷりハマっているのではないかという心配がある

■ 5. 公明党の不穏な動き

  • 三連敗の影響: 石破茂政権下での24衆院選、今年の都議選、参院選と自民党に足を引っ張られる形で三連敗した
  • 地域政党化の声: 党勢の衰亡から「国政は諦めて地域政党として生活に密着する政治活動に集中したほうがいいのではないか」という声が大きくなっている
  • F票の失調: 支援団体である創価学会が中心となって確保するF票(フレンド)は参院選でも大変な失調をきたし、前回参院選比で97万票以上の喪失という惨憺たる状況
  • 連立離脱の可能性: 総裁選の進展によっては、公明党が連立離脱の動きをとる可能性も残されている
  • 対自民強硬論: 「菅義偉氏の言われるように公明党が都合よく利用されるような形で良いのか」「木原誠二氏が佐藤浩氏と握っているとしても、中身次第では断るべきだ」などの対自民強硬論が噴出している

■ 6. 日本維新の会の苦境

  • 党勢の衰亡: 関西を基盤とする公明党が長らく確保してきた大阪府小選挙区の4議席を維新が実質的に奪った問題がある
  • 連立入りのリスク: 公明党は維新との連立については極めて厳しい反応をとる可能性がある
  • 吉村洋文代表の不発: 人気のある切り札と思っていた吉村洋文氏を新代表に選出し、大阪万博を成功に導きつつあるのに、国政での人気が上がらない
  • 離党ラッシュ: 大阪・近畿以外の地方議員を積極的に擁立したが、現在ものすごい勢いで離党ラッシュが進んでいる
  • 党内対立軸: 「大阪とそれ以外」や「国会議員と旧大阪維新」という維新独特の対立軸が鮮明になっている
  • 藤田文武幹事長の懸念: 「連立参加で党消滅も(あり得る)」と記者会見で語り、非常に厳しいかじ取りに迫られている
  • 自民党合流の動き: 非大阪議員は「次の選挙で議席を確保することを目標とするならば、自民党への合流も道筋にせざるを得ない」と説明するほど追い込まれている

■ 7. 国民民主党の躍進

  • 支持率の安定: 国民有権者からの支持率が一服したが、玉木雄一郎、榛葉賀津也、伊藤孝恵各氏を中心とした執行部は引き続き強気
  • 拡大戦略: 早期解散総選挙があっても多くの小選挙区に候補者を擁立し勝ち切る拡大戦略に打って出る方針
  • 消去法の支持: 「まだマシな、自民党でも共産党でもない、きちんとしてそうな政党」として消去法で国民民主党が残り得票を積み増す傾向が顕著
  • 103万円の壁: 103万円の壁や手取りを増やす政策主張が国民有権者に受け入れられている
  • 立憲との距離: 連合の芳野友子氏が「国民と立憲の協調を望む」と表明しても、国民民主党にとって立憲と組むメリットが見当たらない
  • 首班指名の駆け引き: 「野田佳彦と書くか」「玉木雄一郎と書くか」という一本化の話も中途半端に終わっており、玉木氏は野田氏の名前を書くつもりは毛頭ない可能性が高い

■ 8. 立憲民主党の苦境

  • 野党第三党に転落: 前回参院選で比例代表での獲得票数では国民民主党はおろか参政党にも劣る野党第三党に転落した
  • 早期解散への恐怖: 石破茂政権末期の早期解散論でもっとも党内組織がビビっており、候補者選定もままならない状態だった
  • 政策提案の充実と支持率のギャップ: 野田佳彦代表や立憲民主党が特に大きな問題を起こしたわけでもなく、政策提案は非常に充実していたにもかかわらず支持率が低迷している
  • 東京選挙区の苦戦: 本来得意とするはずの都市型選挙である東京選挙区で、強いと見られていた塩村あやか氏が7位ギリ当選という決着
  • 参政党への評価負け: 出口調査で参政党にさえ評価負けして接戦を落とす選挙区が相次いだ
  • 「なんで票が取れないのか分からない」: 立憲議員が吐露する嘆きそのままの状況

■ 9. 国民の関心と政治の焦点のズレ

  • 勤労層の閉塞感: 石破茂政権は50代以上女性・地方在住を中心とした厚い支持基盤で維持され、社会保険料負担の重さから生活に展望を開けない勤労層の閉塞感がキーワードになっている
  • 争点のミスマッチ: 総裁選では憲法改正、外国人問題、靖国神社参拝、トランプ関税などが争点とされている
  • 国民の真の関心: 実際の国民有権者の関心は社会保険料・年金などをめぐる社会保障、賃上げ、医療提供体制の刷新など国内・財政問題が焦眉の急
  • 支持回復への懸念: 国内社会の不安を煽るような形でこれらの問題ばかりが争点にされれば、自由民主党に対する国民有権者の支持はあまり戻ってこない可能性がある

■ 10. 小泉進次郎氏への懸念

  • 神輿の軽さ: 声望が集まる小泉氏の「神輿の軽さ」を見込んで、人気者の小泉氏の下でうまいように動かしてやろうという野心を抱いた人たちも少なくない
  • 失言のリスク: 勝ったも同然と見られていた政治家が勝負どころでたった一つの失言をキッカケに天下を取り逃す可能性がある
  • 過去の事例:
    • 小池百合子都知事の「排除いたします」発言からの崩壊
    • 昨年総裁選で阪神優勝状態から決選投票に残れなかった小泉氏のテレビ討論会でのイケてなさ
  • 好事魔多し: 失速の原因はスキャンダルではなく本人の心構えと油断から来る舌禍に拠る場合も多い

■ 11. 自民党の構造的問題

  • 選挙互助会の引力低下: 新総裁への不満から造反や離党の動きが出てもおかしくないぐらい、選挙互助会たる自民党自身の「引力」が弱まっている
  • 挙党一致の困難: 誰が総裁に就任しても挙党一致で担げる体制にならない限り、首班指名での波乱があり得る
  • 党運営の路線対立: 総裁選において党運営に関する路線対立が露呈し、自民党下野論や首班指名での造反を企図する動きも出る可能性がある
  • 支持率の低迷: 石破茂氏を退陣に追い込んだのに、自由民主党自体への評価・支持はそこまで上がっていない

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