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恩恵ゼロの「ムダ医療」に税金が大量投入されている…ホリエモンが「今すぐやめろ」と説く「高齢者優遇サービス...

要約:

■ 1. 過剰診断の実態

  • 衝撃的なデータ: 75歳以上の乳がん検診では約47%が過剰診断になる可能性があり、85歳以上では50%を超える
  • 過剰診断の定義: その人が生きている間に症状も出ず死因にもならないような病気を見つけてしまうことである
  • 治療の負担: 見つかった以上は治療することになり、手術、抗がん剤、放射線治療が高齢者の体に大きな負担をかけて生活の質を低下させる
  • 医療進歩の皮肉: 検査技術が向上し小さな異常も見つけられるようになったが、それが本当に治療すべきものなのか考える必要がある

■ 2. 世界の高齢者検診に対する姿勢

  • カナダの方針: 75歳以上の大腸がん検診を非推奨としている
  • アメリカの方針: 85歳以上には推奨していない
  • イギリスの方針: NHS Health Checkは74歳で終了する
  • 科学的根拠の欠如: 死亡率低下や延命効果についての科学的根拠に乏しく、75歳以上の高齢者に対するがん検診の効果を示すランダム化比較試験はほとんど存在しない
  • 過剰診断リスクの上昇: 過剰診断のリスクは年齢とともに確実に上昇し、余命が限られている人に10年後に問題になるかもしれない小さながんを見つけて今すぐ治療する意味は疑問である

■ 3. 日本の現状と問題点

  • 無料検診の実施: 自治体にもよるが後期高齢者医療制度の下で75歳以上も無料で検診を受けられる
  • 厚労省指針との乖離: がん検診の推奨年齢は基本的に69歳までであり、75歳以上は明確な対象になっていない
  • 自治体の独自判断: 多くの自治体が独自判断で無料で検診を続けており、統一的な基準もなく科学的根拠も曖昧なまま惰性で続いている
  • 負の連鎖: 不必要な検査、過剰診断、過剰治療により医療費は増大し、高齢者の生活の質は低下する
  • 誰も得をしない仕組み: 現状は誰も得をしない仕組みが続いている

■ 4. 自己責任論と共有意思決定

  • 原則自己責任の提案: 75歳以上のがん検診は原則として自己責任でいいのではないか
  • 真の意図: 高齢者の健康を軽視しているわけではなく、画一的な検診システムから解放され本当に必要な医療を選択する自由を持つべきである
  • 自費受診の選択: 検診を受けたい人は自費で受け、医師から過剰診断のリスクについて十分な説明を受けて自分で判断するべきである
  • 国際的トレンド: 「共有意思決定」に向かっており、医師が一方的に検診を勧めるのではなく患者と話し合い、その人の価値観や人生観に基づいて決める
  • 年齢による重要性: 75歳を過ぎたらこのプロセスがより重要になる

■ 5. 推奨される検査と否定される検査

  • 推奨される検査: 血圧測定や基本的な血液検査など侵襲性が低く治療可能な疾患を見つけられるものはしっかり行うべきである
  • ドイツの研究: 75歳向けの基本的な健康スクリーニングが救急受診を減らし医療費削減につながった
  • 慢性疾患管理の重要性: 高血圧や糖尿病などの管理は年齢に関係なく重要である
  • がん検診の問題: 「早期発見・早期治療」を謳う検査は若い世代なら意味があるが、高齢者では発見されたがんがその人の余生に影響を与える可能性は低く、むしろ治療による負担の方が大きい場合が多い

■ 6. 世代間公平性と医療資源の配分

  • 真の公平性: 「75歳以上は自費」という提案こそが真の世代間公平性である
  • 資源の再配分: 限られた医療資源を効果が証明されていない高齢者の検診に使うより、若い世代の予防医療や高齢者の生活の質を向上させる他のサービスに振り向ける方が合理的である
  • 具体的な代替策: フレイル予防のための運動プログラム、栄養指導、在宅医療の充実などが高齢者の自立した生活を支援し結果的に医療費を削減する
  • アメリカの研究: 高齢者向け栄養プログラムの1年分の費用が病院での1日分の入院費に相当する

■ 7. テクノロジーを活用した健康管理

  • 新しい健康管理方法: ウェアラブル・デバイスやAIを使った健康モニタリングが増えている
  • 日常的モニタリング: 日常的にバイタルデータを収集し異常があればアラートを出すことで、わざわざ病院に行かなくても自宅で健康状態を把握できる
  • 個別最適化: これらのデータは個人に最適化された健康アドバイスにつながる
  • 日々の健康管理の重要性: 75歳を過ぎたら年に一度の健診より日々の健康管理の方がはるかに重要であり、そのためのツールは既に存在している

■ 8. 提案の結論と新しい健康管理の形

  • 具体的提案: 75歳以上のがん検診は原則自己負担とし、受けたい人はリスクを理解した上で自費で受け、公的資源は効果が証明された予防策と高齢者の生活の質向上に集中させる
  • 個人レベルの選択: 自分の健康状態に合わせた管理方法を選択し、テクノロジーを活用して日常的な健康モニタリングを行う
  • 真の目的: 高齢者を見捨てるということではなく、無意味な医療介入から解放し本当に必要な予防とケアに資源を集中させることが重要である
  • 年齢による線引き: 歳をとれば健康の問題も変わるのは生理的なものであり、75歳という年齢は妥当な境界線である
  • 新しい知恵: ムダな健診には依存しないが予防は継続的に適切に行うという新しい健康管理の形を受け入れることが超高齢社会を賢く生きる知恵である