■ 1. 公明党の連立離脱表明
- 下駄の雪の変化: 1999年に自民党と連立を組んで以来、政権に食らいついて離れない公明党が四半世紀が過ぎた今になって「政策、理念の一致があって初めて連立政権が成立する」と言い出し連立を解消した
- 従来のパターン変更: 従来は自民党に新執行部が発足すると公明党は直ちに連立継続の合意文書を交わしてきたが、今回は高市早苗新総裁との会談で斉藤鉄夫代表が連立離脱を表明した
- 自民党への懸念: 斉藤代表が記者団に語っていた懸念は派閥の裏金問題のけじめ、企業・団体献金の規制の明確化、靖国神社の参拝、外国人政策だった
- 理念の一致要求: 斉藤代表は総裁選の前から「保守中道路線の私たちの理念に合った方でなければ、連立政権を組むわけにいかない」と語っていた
■ 2. 創価学会の意向と組織構造
- 斉藤代表の背景: 自身の選挙区では「村議会議員だった親父はバリバリの自民党員。私の血の95%が自民党です!」と言っている斉藤代表が自民党に対して強い態度に出たのは支持母体である創価学会の強い意向があったからである
- 組織の実態: 学会にとって公明党の代表など渉外部長のようなものであり、公明党は創価学会のためにあると言っても過言ではない
- 池田大作の影響: 公明党の本当のトップは存命中は池田大作名誉会長で、山口那津男元代表までは池田先生の鶴の一声で決まったようなものだった
- 学会からの圧力: 今回の斉藤代表の発言は「いつまでも言いなりになっていないで反論してこい」と学会からハッパをかけられたからである
■ 3. 維新の会との因縁と牽制
- 過去の矛盾: 平和の党を自称する公明党だが右派とも言われた安倍晋三政権と連立を組み集団的自衛権の行使を容認した過去があり、それなのに安倍路線の継承者を自認する高市・自民とは組めないというのは矛盾がある
- 信者の反発: 集団的自衛権の行使容認は信者からの反発も大きく、国会前で行われた反対デモに参加した学会員もいたほどである
- 維新との対立: 斉藤代表の総裁選前の発言は自民党と日本維新の会との連立を牽制するためのもので、維新とだけは組んでくれるなという意味だった
- 大阪での惨敗: 大阪都構想が否決されると維新の吉村洋文共同代表が「公明党をぶっ潰す」と宣戦布告し、昨年の衆院選では学会内で「常勝関西」といわれた大阪の4選挙区で全敗するという信じられない事態になった
■ 4. 党勢後退の実態
- 選挙での敗北: 衆院選では公明党の代表に就任したばかりの現職議員・石井啓一氏も落選し比例区の得票数は約596万票だった
- 参院選での最低記録: 今夏の参院選では比例区の得票数が約521万票で過去最少となり結党以来最低の8議席しか獲得できなかった
- 信者数との乖離: 創価学会の公式ホームページでは今も信者数は827万世帯と公表しているが、2005年の衆院選では比例区で約898万票を獲得していたことを考えると党勢の後退は明らかである
- 高齢化の影響: 党勢後退の要因は学会員が高齢化し、2世や3世の信者が積極的な選挙活動をしなくなっているからではないかと指摘されている
■ 5. 学会員の不満と選挙活動
- 功徳としての選挙: 熱心な信者にとって選挙活動は功徳であり、選挙で学会員の結束は強くなっていた
- 結婚の増加: 通常は男子部と女子部が一緒に活動することはないが選挙では一緒に活動するため、その後結婚式が増えるとまで言われた
- 公明党への不満: 一生懸命に選挙活動をしているのに当選しないのは公明党がしっかりしないからだと学会員は考えた
- 裏金問題の追及不足: 自民の裏金問題の時は大して追及することもなく、参院選では安倍派の裏金議員3人を推薦したため同じ穴のムジナと言われた
- 旧統一教会問題: 旧統一教会の問題が出たときは政治と宗教の距離を巡る議論に巻き込まれかけた
■ 6. 自民党への影響と解党論
- 自民党への痛手: 学会票がなければ当選できない自民党議員もおり、選挙区で確実な2万票を持っているなら影響力は大きいため大変な痛手である
- 一般の声: ネット上には「早く公明党が無くなって欲しい。選挙の度に学会員らしき人から公明党にとお願いされて迷惑に思ってる人は多いと思います」という声が上がっている
- 内部からの解党論: 学会は参院選で敗れたことがかなりショックで、学会の幹部が公明党の元幹部に相談したところ「学会も公明党も消滅するしかないのだから解党するべきだ」と答えたという
- 出直しの必要性: 解党的出直しが必要なのは果たしてどちらかという問いが投げかけられている