■ 1. 事件の概要
- 問題の発覚: 新宿区役所内で共産党区議会議員がしんぶん赤旗を区幹部職員に勧誘・集金する行為が長年続いていた
- 公式化の経緯: 10月14日の総務区民委員会で区当局が区議による赤旗の勧誘と集金が行われていたことを答弁し公然の事実となった
- 議会勢力: 新宿区議会では自民党8議席、公明党8議席、共産党7議席と共産党が大きな力を持っている
■ 2. 陳情の提出と調査の実施
- 陳情内容:
- 区役所内で議員が政党機関紙を販売しているが許可を得ていないのではないか
- 職員が心理的圧力を感じているのではないかとしてアンケート調査を要請
- 区の対応: 当初は実態調査をしない方針だったが、議論の深まりを受けて職員向けハラスメント全般のアンケート調査を実施した
- 調査対象: 課長級以上の管理職職員
■ 3. アンケート結果
- 勧誘の実態: 幹部職員の約85%が政党機関誌の勧誘を受けた経験があった
- 心理的圧力: 勧誘を受けた職員のうち64.3%が心理的な圧力を感じていた
- 勧誘後の対応: 購読した、やむを得ず購読した、断ったが重ねて勧誘を受けたの3つの回答が90%を占めた
■ 4. 共産党区議の勧誘手法
- タイミング: 係長級の職員が課長昇進の内示を受けた時点で勧誘を行っていた
- 手口の特徴:
- 議会対応が仕事となる課長に昇進が決まった係長に対して実施
- これからよろしくねという挨拶と同時に赤旗購読を勧誘
- 議会の右も左もわからない係長の不安心理につけ込む形
- 断りにくい状況: 議会で恐れられている共産党区議からの勧誘のため断れない状況を作り出していた
■ 5. 問題行為の本質
- みかじめ料との類似性: 繁華街の新規出店に対するコワモテの押し売りと同じ古典的手口である
- パワハラの認定: 心理的圧力を利用した勧誘行為はパワーハラスメントと言える
- 許可の問題: 区役所内での物品売買には許可証が必要だが、この勧誘活動は許可を得ていない可能性がある
■ 6. 経済的規模と影響
- 徴収額の試算:
- 課長級以上の職員が100名前後
- 日刊版月額3497円の場合、年間最大420万円
- 日曜版月額990円の場合、年間最大120万円
- 共産党への影響: この収入を失うのは痛手となるため是正に消極的な可能性がある
■ 7. 共産党の対応と二重基準
- 会派幹事長の反応: 議会全体で議論すべきことだとし、現時点で全くやめる気はない様子
- 二重基準の指摘: もし自民党が職員にパーティー券を売っていたら共産党は烈火のごとく怒るだろうが、自分のことになると甘くなる
- 自浄作用の欠如: ハラスメント対策に取り組むと標榜する共産党が自身のハラスメント行為を是正しない矛盾
■ 8. 今後の対応
- 区当局の責務: 調査結果を受けて職員を守るための対策を実施する必要がある
- 区議会の課題: 政党機関誌についてルールを設けるなど自浄を図る必要がある
- 共産党への要請: ハラスメント対策に取り組む政党として早急に是正すべきである