石破茂内閣の総辞職に伴い総務相を退任した村上誠一郎氏は21日の退任会見で「民主主義が危ない、国の基本である財政規律が危ない」と持論を展開。目に涙を浮かべながら「日本国民を守るのは(生活に密接な関わりのある行政分野を所掌する)最後のとりでである総務省」と強調した。
村上氏は在任中を振り返り、「地方財政の現状を国会議員は理解していただけるのか。(ガソリンの暫定税率廃止や消費税減税で)地方自治の財源にものすごい影響が出てくる」と主張。「少子高齢化による急速な人口減少、急激なデジタルの進歩とその負の側面への対応、ポピュリズムの蔓延など、カオスの時代を迎えている。総務省のみなさんには中長期的な視点に立って民主主義や財政規律を守り、次の世代が生き残る政策の立案にあたっていただきたい」と力を込め、感極まった表情を見せた。
村上氏は国会議員や地方議員、自治体の首長などの不祥事に対し、「政治家は自分を厳しく律して、事に当たらなければならない。地方も中央もその点が欠けてきている」と苦言を呈し、「微力ながら総務省の仕事をバックアップしていきたい」と述べた。