退職を希望する人に代わって退職の意思を伝える退職代行サービス「モームリ」の運営会社が「退職代行」の仕事を違法に弁護士にあっせんし、紹介料を受け取った疑いが強まったとして、警視庁が関係先の一斉捜索に乗り出しました。
弁護士法違反の疑いで警視庁が家宅捜索に入ったのは、退職代行サービス「モームリ」を運営する東京・品川区の「アルバトロス」本社や都内の法律事務所など複数の関係先です。
捜査関係者によりますと、「モームリ」の運営会社「アルバトロス」が退職の意思を伝える「退職代行」の仕事を違法に弁護士にあっせんし、紹介料を受け取った疑いなどがもたれているということです。
弁護士法では、弁護士以外の人が報酬目的で法律事務の仕事をあっせんすることを禁止しています。
「モームリ」は、谷本慎二社長が2022年にサービスを開始。本人の代わりに退職の意思を会社に伝えるサービスを提供していて、累計利用者数は4万人を突破しています。また、去年12月からは「モームリ」で蓄積された「退職理由のデータ」を活用し、職種や従業員の年代に対応した"退職を防ぐアドバイス"をする新たなサービスも始めています。
「モームリ」をめぐっては今年4月、一部週刊誌が「モームリ」側が弁護士に退職希望者を紹介する見返りにキックバックとして紹介料を受け取っているという疑惑などを報じていました。
捜査関係者によりますと、「モームリ」では退職の通知以外に「残業代の請求」など非弁行為にあたる法律に関わる交渉が行われている実態を捜査の過程で把握しているということで、警視庁は今後、押収した資料を分析し、他にも違法性のある事業を行っていないかなど捜査する方針です。