■ 1. 事件の概要
- ハリウッド女優シドニー・スウィーニーが「Variety」主催の毎年恒例の「Power of Women」イベントで論議を呼んだ
- 彼女はクリスチャン・コーワンがデザインしたシルバーのロングドレスを着用した
- ボディラインをくっきり見せるシルエットで素材は透け透けであり、ノーブラの胸は形だけでなく乳首も見えた
- 写真や動画を掲載するにあたって乳首部分にぼかしを入れたり黒塗りをした主要メディアも少なくない
- 体がスリムなのに胸が大きいスウィーニーはヒット映画「恋するプリテンダー」など出演作でもセクシーボディで男性を魅了してきた
- 女性のパワーを祝福するこのイベントにあえてこんな服装で現れたのは彼女にとってセクシュアリティを謳歌する意味もあったのかもしれない
■ 2. 受け止められ方の多様性
- 「優良遺伝子」CM騒動の最中、スウィーニーが共和党支持者であることが判明しトランプも彼女を褒めたことから、全体的に保守は彼女の味方、リベラルは批判的というおおまかな構図ができている
- しかしこの服装に関してはそこはまるで関係ないようでもある
■ 3. 保守派からの意見
- 保守派の女性ジャーナリスト、メーガン・ケリーは自身のポッドキャストの中でこのドレスに「反対」と述べた
- スウィーニーのボディが非常に魅力的だとほめつつも、ケリーは「見せすぎ。実際にそれを見ることができる人になりたいという男たちの願いを奪ってしまった。これは想像の余地も残さない」と理由を説明した
- こんな選択をしてしまったのは「画期的なことをやりましょう」と誰かがこのドレスを持ってきて若いスウィーニーは乗せられてしまったのだろうとケリーは推測した
- 保守仲間のスウィーニー本人ではなく彼女の間違いを批判する姿勢である
■ 4. 支持する意見
- 同じイベントに出席したシャロン・ストーンは「持って生まれたものを使うのは悪いことではない」とスウィーニーを堂々と支持した
- 「ホットであることは楽じゃない。みんなそれぞれになぜホットなのかがありそれがある時にそこを追求すべき」と、やはり若い頃セクシー女性としてもてはやされたストーンは述べた
■ 5. ソーシャルメディア上の男性の反応
- 肯定的意見:
- 「これはポルノではなく女性らしさを前面に押し出すもの。彼女は見られたいと思っているのではなく自然に輝いているのだ」
- 「シドニー・スウィーニーはちゃんとした女優で非常に美しい上、男性の目線を自分から呼び込む。こういう人を待っていた」
- 懸念の声:
- 「クリスチャンである父親としての意見。彼女は美しいが注目を集めるために不適切な服装をするのはどうか。少女たちに間違ったメッセージを送るし世の男性たちには身近な女性に同じようなふるまいを期待させてしまう」
- 「彼女が美しいということには同感。ただ父としてわが娘がこんな服装をするのを許すかと聞かれたらノー」
- 「かつて『美』と『露出』は同じではなかった。全部見せてしまうともはや聖なる領域はない」
■ 6. ソーシャルメディア上の女性の反応
- 批判的意見:
- 「洗練されてはいてもポルノはポルノ。彼女はギリシャの彫像ではなく生身の人間。世界に向けて乳首をさらしている」
- 「これは彼女の選択だから『エンパワメントだ』と言う人もいるけれど(男性から)見られたい、望まれたいというところから来ている。どこがエンパワメントなの?」
- 「裸で歩き回ることはエンパワメントではない」
- 「ヒュー・ヘフナーは墓の中で悔しくて転がりまくっているはず。彼は自分の雑誌で女性たちにああいう格好をしてもらうために高いお金を払ったのにね」
- 「シドニー・スウィーニーは美しい。でも控えめであることは美しさを増す。あなたの奥さんや娘さんがこんな格好をしたら恥ずかしいでしょう?」
- フェミニストのためのイベントであるのに女性たちの反感を買ったのは皮肉である
■ 7. スウィーニー本人の対応
- 「優良遺伝子」CMの時同様、今回もスウィーニーはこの騒動に対して何のコメントもしないまま
- 自分の一挙一動に世間がパニックすることを彼女自身は楽しんでいるのかもしれない
■ 8. 女優としての活動
- スウィーニーは今、実力派女優として認められるための努力に忙しい
- 今月7日に北米公開となる伝記映画「Christy」で主演女優部門の候補入りを狙っている
- マネージャーである夫のコントロールに悩まされつつ女性ボクサーとして成功し究極の人生の分かれ目を経験したマーティンになりきった映画の中のスウィーニーはレッドカーペットの彼女とはまるで別人である
- 問題はスクリーンの外でスウィーニーが集める注目がチケットの売り上げに貢献するか、また女優としての仕事ぶりが投票者の心を動かすかどうかである
- それができてこそエンパワメントである