■ 1. 世論調査の衝撃的結果
- 高市政権発足を前にして連立離脱をチラつかせ自民党に揺さぶりをかけたかに見えた公明党だったが、自民党が日本維新の会と連立を組んだことで立場が一転し、愕然とする事態に追い込まれている
- マスコミ各社が実施した世論調査では新内閣の支持率は6割から7割と軒並み高水準となっている
- 日本経済新聞の世論調査では公明党の連立離脱を「よかった」が78%、「よくなかった」はわずか12%だった
- 自民党支持層では7割、公明党支持層でも7割が「よかった」と回答した
- 関係者によると、創価学会は高市内閣の高支持率に驚き愕然としている
- 支持すると回答した人の割合は若年層が最も多く、創価学会としては若年層の支持が欲しくても手に入らない状況である
■ 2. 連立離脱の経緯
- 自民党と26年間にわたり連立政権を組み、"下駄の雪"とまで揶揄された公明党
- 連立離脱は揺さぶりをかけただけで自民党から泣きついてくると期待していたのではないかという見方もあるが、それはないと考えられる
- 連立離脱は支持母体である創価学会の決定事項であり、公明党の斉藤代表であっても逆らえない
■ 3. 公明党と創価学会の関係
- 元委員長・竹入義勝氏の1998年朝日新聞インタビュー:
- 「委員長を引き受けるときから人事権は学会にあると明確にされていた」
- 「選挙にしても人事にしても、党内はみな学会を向いている」
- 「公明党は財政、組織の上で創価学会に従属していた」
- 「政治家になって学会との調整に八割以上のエネルギーをとられた」
- 「公明党・創価学会の関係は環状線で互いに結ばれているのではなく、一方的に発射される放射線関係でしかなかったように思う」
- この記事に池田大作名誉会長が激怒し、創価学会は反竹入の大キャンペーンを行った
- 学会に従属する公明党という図式は今も変わっていない
- 斉藤代表も投票によって選ばれた代表ではない
■ 4. 離脱決定のタイミング
- 自民党総裁選は10月4日に行われ、高市氏が決選投票で小泉進次郎氏を破って党首となった
- その日のうちに高市総裁は斉藤代表と会談を行い、7日にも会談を行っている
- 7日の会談では政治とカネの問題で隔たりがあるため連立合意は持ち越しになったと報じられた
- 斉藤代表が連立離脱を表明したのは10日のことである
- 少なくとも6日以前には結論が出ていたはずである
- 理由: 6日には創価学会の原田稔会長と創価学会インターナショナルの理事長でもある谷川佳樹主任副会長が渡米しているため、彼らは連立離脱を決定した上で日本を発ったと考えるのが自然である
■ 5. 離脱理由の矛盾
- 斉藤代表は10日、企業・団体献金の規制強化を提案したものの折り合いがつかないので連立離脱となったと説明した
- 一方、高市氏は「3日待ってくれ」とお願いしたものの一方的に離脱を伝えられたと言っている
- 高市氏はまだ総裁になったばかりで、党内の意見をまとめるにはそれなりの時間がかかるはず
- ところが公明党はわずか3日も待とうともしなかった
- 政治とカネの話は道具にすぎず、最初から結論ありきだったと考えられる
- 高市氏が「総裁が私でなかったら連立離脱はないのか」と尋ねると、公明党側は「誰が選ばれても同じ」と答えた
- しかし斉藤代表は後に「石破政権なら離脱はなかった」「小泉氏が(総裁に)なっていたらここまでのことにはならなかった」と発言している
- 自民と維新の連立で高市首相が誕生し所信表明を行った際、斉藤代表は"独裁"とまでケチをつけた
■ 6. 高市氏を嫌う理由
- やはり右派ということが理由と考えられる
- 平和の党を標榜する公明党だが、安倍内閣の時に集団的自衛権の行使を容認し、学会員からの反発も大きかった
- 安倍晋三元首相の後継者を自任する高市氏では協力できないということである
- 学会とパイプのある中国共産党の意向もあったはずで、6日には呉江浩・駐日中国大使が斉藤代表に会うため議員会館を訪れている
- ところがその高市内閣が歴代5位の高支持率(読売新聞・世論調査)で大人気である
■ 7. 選挙への影響
- 自分たちが連立を離れたことで高市内閣の人気が上がっていることがショックで、衆院選の小選挙区から撤退したほうがいいのではとの声も上がっている
- 公明党衆議院議員の佐藤英道氏は28日、次の選挙では北海道4区からの出馬を断念すると表明した
- 佐藤氏は5期にわたり比例北海道ブロックで当選を重ねてきたが、2025年9月に次の衆院選では選挙区から出馬すると発表していた
- 北海道4区で当選してきた自民党の中村裕之氏が比例に回るという約束ができていたためだが、自公連立離脱により公明党は自民党からの協力が得られなくなった
■ 8. 選挙協力の喪失
- 自公連立では選挙協力があり、公明党が候補者を擁立した選挙区では自民党は出馬を控えるという協力をしてきた
- 公明党の小選挙区の候補者は、自民党支持者の票が入っていたからこそ当選できたという試算もある
- 斉藤代表が地盤とする広島3区もそうである
- すでに広島3区では比例中国ブロックで当選してきた自民党の石橋林太郎氏がやる気を見せているとも言われている
- 公明党は前代表の石井啓一氏に続いて現代表も落選する可能性だってある
■ 9. 比例での苦戦予測
- 連立離脱を表明した公明党に泣きつくことなくさっさと維新と組んだ高市氏であるため、公明党の選挙区には刺客を立ててくるかもしれない
- そのため選挙区を諦めて比例だけにしようという声が上がっている
- 比例の得票数は2005年の衆院選で獲得した約898万票をピークに下がり続け、2025年の参院選では521万票だった
- 学会員が必死に電話をかけてF票(フレンド票)を集めようとしても、今や公明党は野党である
- 与党にいて実績を宣伝できた頃とは違い、どれほど賛同してくれる人がいるのか不明である
- 次の国政選挙では500万票を割るかもしれない
■ 10. 公明党の人気の実態
- 経済安全保障相として高市内閣で初入閣した自民党参議院議員の小野田紀美氏は、2022年の選挙で公明党の協力を拒否して当選したことでも株が上がっている
- 公明党はここまで人気がなかったことに目を向けるべきかもしれない