■ 1. 専門家は信頼できない
- 政治評論家とかあらゆる業界の評論家がやっていること
- 最近、政治評論家の皆さんは外すことが多い
- すごく困っている
- でも聞かれたら答えざるを得ないから、みんな一生懸命お話をひねり出している
■ 2. 漫画で分かる国際情勢
- 「漫画がやっぱすごい」ということで「漫画で分かる国際情勢」をやってみる
- 岡田先生は「ベイジュモカーバ」と「日本の兵器が世界を救う」という本を買った
- 実は買うつもりがない本が1冊混じっていた(ベイジュモカーバの方)
- 本屋さんで積んである本を別の本と間違えて買ってしまった
- 普段だったらこういう本は絶対買わない
■ 3. 今の情報を追いかけることの問題
- ひかわ竜介さん(アニメ特撮研究家)が「最近のアニメ全部見ない」とFacebookで書いていた
- なぜかというと、最近のアニメを見てもそこで得られる知識は2年3年経ったらもう古くなっている場合が多い
- ブームがとっくに去ってしまって、あの時にはすごい大事に感じたんだけど何年かしたらみんな振り返りもしないことも多い
- だから今の情報というのはそんな熱心に追いかけないという
- 岡田先生も同じ考え
- 今のことを言ってる本よりも、今のブームと離れたところで書いてるような本の方が多分本質的に考える時に面白い
- 本というのは情報を得るんだったらブログでも何でもいい
- 考えるためには最新の知識とか今のものを追っかけるよりは別のところから考えた方がいい
■ 4. 専門家に聞いても分からない
- 例えば戦争が起きるのかどうか(中国と北朝鮮で戦争が起きるのかどうか)
- 最新の知識とか深い知識もしくは他に流れない知識を持ってる専門家に聞いても分からないと思う
- あんまり意味がないと思う
- その理由は漫画に書いてある
■ 5. ワシズ麻雀の比喩
- 赤木というあの麻雀漫画の中に出てくるワシズ麻雀
- 全てのパイの3/4がガラスで透明になっている
- だから自分の手が見える
- でも1/4だけ黒い
- なので1/4だけ見えない
- こういう状況で麻雀を打っている
- 実は政治評論家とかあらゆる業界の評論家がやってることはこれ
- 一般の人に比べてパイは透けている
- 例えばこれまでのアメリカの政治の歴史とか見てたり、自民党の幹部の人に取材したり、話聞いたり友達になったり一緒の番組だったら裏話みたいなもの聞いてるとほぼ分かってくる
- 全体の3/4ぐらいは麻雀パイが透けていてガラスの状態
- なので次はどうするのかっていうのが手が読めれば麻雀の先がどっち勝つのか分かるように大体ほぼみんな読めてくる
- そういう状況が大体20年とか25年30年ぐらいから続いた(日本にしても世界にしても)
■ 6. 麻雀パイが見えなくなった
- でも最近、政治評論家の皆さんは外すことが多い
- 例えばEUをイギリスのEU離脱とかトランプの大統領の出現とか、そういうのは全部外している
- なぜかというと、一斉にこの麻雀パイが見えなくなっている
- 麻雀牌が透明だった時に自分たちが分かると思ってたことがこれまで1/4は確かに謎だった
- でも残り3/4の向こうが見えてるものが急に見えなくなってしまった
- なのでみんな困ってる
- 知ってる限り政治評論家というのはみんな基本的に聞かれても分からないこと聞かれてすごく困ってる
- でも聞かれたら答えざるを得ないから、みんな一生懸命お話をひねり出している
■ 7. 韓国の朴槿恵大統領弾劾裁判の例
- 今韓国で大統領選挙が行われようとしていて、それが朴槿恵前大統領が弾劾裁判を受けて有罪と決まったから
- この弾劾裁判に関しても韓国の専門家でほとんど全員「朴槿恵大統領は裁判受けるけども有罪にはならないだろう」とみんな言ってた
- でも見事に予想を外した
■ 8. 人情論
- 予想を外して有罪になってからみんなこう色々理屈を考える
- その中で出てきた理屈が「人情」という言葉
- 京都大学の岡本教授(文学部の教授、中国法制の専門家)が説明した
- 中国法制の専門家の間で法や判決を下す際の基準の1つとして「情」という言葉がよく使われる
- これを4文字引き延ばせば「人情」
- 裁判で判決を下すなり政府が何らかの政治的判断を下す際に大多数の人々が「なるほどな」と納得できる判断を下す、これが「情」
- 法律の条文はこの「情」によって解釈され、また変更もされる
- 極端に言えば日本語で言えば大岡裁きだということになる
- 判決などが最終的に拠るのはこの「情」によってであって、それを組み上げる政治家というのが徳があるとか、そういう風な尊敬されるリーダーということになる
- なので韓国の裁判では今でも基本
- 国民感情に合致しない判決を下した裁判官は世間から非難の的になる
- 民主化で世論が強くなった分ますますその裁判の傾向が深まった感じがする
■ 9. 法治国家批判への反論
- これに関して大体みんなも「これダメだろう」って意見が多い
- それはなぜかというとそれは法治国家の形ではないから
- いかに人が納得しないからと言っても法律で決まってるんだからちゃんと決めなきゃダメじゃないか
- なんで中国や韓国はこんなに遅れるんだ
- 彼らは法治国家じゃまだない
- 日本みたいに早く法治国家の中に入れて先進国の仲間入りしなきゃダメじゃないのか
- という試験意見が一般的な意見というかインテリっぽい意見
- でも本当にそうなのか
- 法治国家というシステムが本当に正しいのか
■ 10. 中国は3000年前に法治国家を通ってきた
- 法治国家というシステムは中国はすでに3000年前に通ってきている
- 元々古代中国というのは超強烈な法治国家で、その影響下にある韓国も法治国家
- これはハムラビ法典でも何でもそうだし、ギリシャ時代、ローマ時代から法治国家なの当たり前
- 別に20世紀になって21世紀になって世界中の先進国がようやっと法治国家になってきましたね、それまでは王様の気分次第でとか独裁者の気分次第でっていう風になっていった遅れてますねっていうのは違う
- 実は超古代から人類は法治国家をやってみてやっぱりダメでそうじゃないシステムというのを延々繰り返している
■ 11. 蒼天航路の例
- 蒼天航路にこういうシーンがある
- 曹操孟徳というやつがカクの頭の頭のところに刀持って殴り込んでしまった
- そこで偉い騒ぎを起こして牢屋に放り込まれた
- 彼を裁く時にこの橋玄というキャラクターが悩む
- 「本当に私は朝廷に逆らってまでも法に仕えることができるのかどうか」
- つまり法治国家の限界というのは三国志の時代からしょっちゅうお話の中のドラマの中に使われている
- こういうものを大体中国は2000年ぐらい前に通り過ぎている
- この橋玄というキャラクターも曹操孟徳は一応罪は罪なんだけど、これを法で裁くことは不可能だと
- なぜか:法というのは天が決めたものなんだけども君を裁くことは例えば君はよくできた世の中(全然乱れてない世の中)だったら全然いらない人なんだけどでもそうじゃなくて今のような乱世なところだったら君のような人の方がひょっとしたら天の道理にあってるかもわからないと言ってこの人を釈放しちゃう
- これが橋玄という法の番人で当時の中国で最も法を守ったという人の判断だった
- これがやっぱりその古代中国の法治国家の中でもすごい大きいエピソードとして伝わっている
■ 12. 法治社会vs信用社会
- 法治社会っていうのはいわゆるその見知らぬもの同士が新しいことをしようとする時に法律という分かりやすいルールというのをちゃんと明文化していってそれを守ってる限り何をしてもいいっていう発展型の社会
- ところがこの地球全体が結びついていてネットワーク型の社会になっていくと全ての人が見知らぬもの同士ではなくなる
- あることをした人が別のところで何をしてで彼らが使ってる通貨もお互いに互換性がある通貨ではない
- こういう風な場合は法治社会よりも信用社会という形になってくる場合が多い
- どうやってもですねその人を法的に信頼できるのかどうかより個人的に信用できるのかどうかの方が大きくなってきて結果的に中国社会、韓国社会っていうのは法治国家という国の取るような発展途上国はお前ら経済発達しなきゃいけないから法治国家にならざるを得ないよなと
- でも先進国である中国はもう違うぞ
- お前らがやってることはもうすでに2000年、1000年先に比べて2000年前に通り過ぎた
- 徳治国家という風に言ったり、つまり王が徳を持って国を納めることとか、もしくは人治主義と言ってもいい
- 政府のトップに立つ、行政のトップに立つ人間がキャラクターを出してその国を運営していくという風になってくる
■ 13. 歴史の繰り返し
- これらは法治国家が後退したのではなくて法治国家の先にいつもいつもある問題
- それもギリシャの時代からローマの時代から古代中国の時代から一応法治国家、民主国家としてそれぞれの国が成立していったらその次はキャラクター主義になっていくっていうのは見てる限りやっぱり歴史の繰り返し
- こういうですね国家のトップの判断によって政治行政が変わってしまうっていうのは民主主義によってグローバリズムっていう無個性化
- 政治家ってこの10年20年ぐらいキャラが立たなかった
- 昔の政治家は面白いやつがいた
- でも田中角栄を最後ぐらいにしてそっから先誰が首相やっても変わんねえよという時代が日本では何十年も続いた
- それはなぜかというと実は民主主義が完成したからであって、もしくは法人効果が完成したから
■ 14. キャラクター主義とブラフ
- 今韓国がなぜ民衆のご機嫌を取るような判決になるのかというと多分法治国家の限界っていうのはもうそこ
- 法治国家っていうのはじゃあみんなの民衆の気に入らないことでも法律で決まってるからそれで行けっていう風にやって収まるのかというと暴動が起こって収まらない
- それに関しては国民の教育が足りないのかというのではなくてそれを国民に納得できるだけの人徳っていうのかな
- それを自分の人間力を持って国民を納得させるだけの政治家が出ていれば問題ないっていうのが儒教的な考え方
- だからこそ政治家には人徳が必要であって王には人徳が必要でっていう孔子様の儒教の教えにガーっと戻ってことになる
- 人徳と言ってもいいが悪く言うとトップのやつの気分次第になって、移民嫌いだわ、移民のやつにアメリカに来ちゃダメみたいに気分次第で政治が動く
■ 15. 銀と金の青天井ポーカーの比喩
- 銀と金という漫画の中で青天井ポーカーっていうのが出てくる
- 金の量に限りがない、我々のポーカーは腐敗だ
- どんなに仕掛けてきても大丈夫、しかしあいつに自信がある、俺は壁を築いてやる、注ぎ込むこの平蔵の金庫の底、その鉄板が見えるまで
- ポーカーなんだけどもどれぐらい金を継ぎ込んだかと資金力勝負のポーカーに無理やり持ち込む
- これは今の北朝鮮とアメリカと全く同じ
- つまりどちらが強いのかっていうと実はこのブラフの掛け合いになってるとブラフの掛け合いになった時は力ではなくて奥にある資金力だけで決まっちゃう
- 具体的に言うとアメリカと北朝鮮の兵力だけで完全に決まっちゃう
- だからどんなにブラフかけても北朝鮮の負けはもうこのブラフ合戦になった瞬間に完全に終わっちゃってる
■ 16. キューバ危機の例
- ケネディとフルシチョフが実はキューバのミサイルの時に同じような状況になった
- フルシチョフのソ連が何が何でもキューバに核ミサイル基地を作ることで船に核ミサイルを持ってきたところにケネディはそんなことするんだったらアメリカ核戦争も辞さないぞという風にしてブラフかけた
- どっちが引くかという風に見られたがソ連がやっぱちゃんと引いた
- それはなぜかというとブラフの掛け合い
- これケネディ以外の大統領だったら多分やらなかったしやっぱり北朝鮮とブラフの掛け合いというのもトランプ以外の大統領だったらやらなかった
- オバマは現にやらなかった
- キャラクターで勝負してくる人が出てくると、人徳っていうのを言い換えればいい、現代の言葉で言えばキャラクター
- キャラクターで勝負する人たちが政治家で出てきちゃうとそれはもうブラフ合戦になってしまってブラフ合戦になっちゃうともうこの青天井ポーカーと同じように実力というか武力をどれぐらい持ってるのかの勝負にいずれはなっちゃう
- なので武力が弱い側は張り返せない
■ 17. 結論
- 相手の麻雀が実はその見えた世界から見えない世界に変わってきた
- なので日本中の政治評論家が多分世界を含めても状況が読めなくなってみんな予測が外れてくるようになった
- 同時にイギリスのEU離脱もそうだしトランプ大統領もそうプーチンもそうドゥテルテ大統領とフィリピンもそう、世界中の政治家がキャラクター勝負になってきた
- 日本の安倍首相もそう
- キャラクター勝負になってきた
- こうなってくるとお互いにキャラクターによるブラフそういう風なものの割り合いになってくる
- そうなった場合これまでのお互いの麻雀パイが見えている状態から完全に見えない状態になってくるので実はかなり武力勝負っていうつまんないといえばつまんないがそういう風なものになってきてしまう
- でも先の状況が読めないと言ってもこれから先どうなるのかという回答は常にどっかの漫画の中にある
- どっかの漫画の中にあるので僕らは大丈夫だと思う
- 最新の本を読むよりは漫画読んだ方が分かりやすくなってると思う