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「外交・安保の基本を外して政権は取れない」立民・原口一博氏 岡田氏の質問は「アウト」

立憲民主党の原口一博元総務相は1日、産経新聞のインタビューに応じ、高市早苗首相による台湾有事と存立危機事態を巡る国会答弁を引き出し、その後、撤回を求める同僚議員らに苦言を呈した。有事にどう対応するのか明確にしない「曖昧戦略」を反故(ほご)にしたとして「最悪だ。気にいらない総理だったとしても、外交面では支えないといけない。国益より政争を優先させたようにみえる」と指摘した。

「俺が幹事長なら除名する」

首相については答弁を撤回する必要はないとし、安易な譲歩はさらなる中国側の要求を招き続けるとの見方を示した。

今回の首相答弁を巡っては、立民の岡田克也元外相が11月7日の衆院予算委員会で、台湾とフィリピンの間のバシー海峡を中国軍が封鎖したケースを挙げて「だから、どういう場合に存立危機事態になるのか」と繰り返し尋ね、引き出した経緯がある。立民の大串博志前選対委員長らは答弁撤回を求めている。

原口氏は「立民も、日本政府や米国政府と同じく台湾に対して『曖昧戦略』を採っている。にもかかわらず『明らかにしろ』と詰めて、高市首相にケース(具体事例)を言わせた」と述べ、岡田氏について「『バシー海峡』を持ち出した時点でアウトだ。俺が幹事長なら除名する。外相経験者なだけに問題性は二重三重に重い」と語った。

同僚は「いやいや…」とヤジ

中国側が首相の答弁に反発している状況については「『日本が中国に武力行使する』など首相は一言も言っていない。それなのに(日本など第二次大戦時の敗戦国を対象とした国連憲章の)『旧敵国条項』を持ち出して、武力行使をちらつかせている」と問題視した。

28日の衆院外務委員会では、茂木敏充外相も岡田氏について「曖昧戦略を変えるようなことをした」と苦言を呈し、これに対し原口氏は「批判は真摯に受け止める」と述べた。直後、同僚議員から「いやいや…」とヤジを飛ばされたという。

原口氏は、自身のユーチューブチャンネルで、同僚のヤジについて「前に質問した人間のミスを修正しようとしているのに『いやいや…』とは。(国益か政争か)どこを見て仕事しているのか」と憤慨している。立民については「ほとほといやになった。もうちょっと限界だ。外交や安全保障の基本を外して政権が取れると思えない」ともこぼした。

原口氏は自身へのヤジを繰り返し問題視しているが、産経新聞の取材に、この同僚議員は2日に謝罪に訪れる予定だといい、内容次第で矛を収める考えも示した。(奥原慎平)

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