■ 1. 石破政権の終焉
- 自民党総裁選で高市氏が勝利したことにより、石破氏の自民党内でのトップの座は失われた
- 石破氏は安倍氏と争い、その後もなかなかトップになれなかったため、自民党総裁になった時は天にも登る気持ちだったと推測される
- 石破政権の不人気が問題であった
■ 2. ネット上での評価と実態の乖離
- 石破政権はネット上でリベラルと散々叩かれており、あまり人気のある印象がなかった
- ネット上の不人気が石破政権を低迷させていたことは否定できない
- 批判の内容が適切なのかは実態を見てから判断した方が良い
- 年収の壁の問題や外国人問題で石破政権の中身はほとんど見えてこなかった
■ 3. 安全保障政策の強化
- 石破政権はある意味すごく自民党らしい政権であった
- 石破政権は非常に安全保障に力を入れていた
- 石破氏は元々防衛大臣、防衛庁長官をしており、防衛オタクとして知られている
- 総理大臣になった際の防衛構想がたくさんあったと考えられる
- 具体的な取り組み:
- 自衛隊の処遇改善
- 反撃能力の強化
- 武器弾薬の国内製造体制の拡充などの平時能力の強化
- 能動的サイバー防御の実現
- 能動的サイバー防御はサイバー攻撃を受けることを予想した際には国内外を問わず先にこちらから仕掛けることができる法案である
- 敵基地攻撃能力に似たある種の先制攻撃である
- リアルとデジタルどちらの点からも日本の防衛力をより広範な範囲で適用させた
- 野党は敵基地攻撃能力の時は大騒ぎしたが、能動的サイバー防御では年収の壁などで盛り上がっていたためそちらに注力していた可能性がある
■ 4. 次世代のための政策
- 石破氏は高齢者だという印象が先行していたが、実際には次世代のための政策も行っていた
- マクロ経済スライドの強化:
- 簡単に言えば高齢者の年金を減らして以降の人たちの年金を増やしたことになる
- 世代間格差是正につながる良い政策である
- 維新の会と組んで社会保障改革にも取り組んだ:
- 医療費の削減や若い世代に過度に依存する負担体制が緩和される
- 石破氏は全世代型社会保障、つまり若い世代に負担が集中する今の社会保障体制の見直しを訴えていた人物である
■ 5. 経済政策の二本柱
- 経済政策は主に2つの柱がある:
- デフレ脱却と称したもの
- 地方創生2.0
- デフレ脱却について:
- 石破政権初期の頃から日本はすでにインフレであった
- デフレ脱却は正直的外れの側面がある
- アベノミクスからずっとデフレ脱却を日本は言っていた
- デフレスパイラルに陥れば経済に悪影響だが、インフレになれば経済成長するといったシナリオはかなり甘い発想であった
- 地方創生2.0について:
- 従来のばら巻きによって地方を成長させるのではなく、地方自らが稼ぐ力をつけるべきだという発想である
- 発想自体は良いが、石破氏が自民党の政治家らしい側面がある
■ 6. 地方重視と都市部軽視
- 自民党は地方票に強さがあるため、何らかの方法で地方を重視する
- 地方こそが自民党の総本山である
- どういう方法にせよ地方の支援は自民党の生命線である
- 言い換えれば都市部を軽視したとも言える
■ 7. 外国人労働者政策
- 石破政権は外国人労働者に非常に前向きな姿勢を持っていた
- これがネット上で石破政権が叩かれまくった理由である
- 自民党が外国人労働者を受け入れたがる理由:
- 自民党を支えている業界団体(経団連、建設業、農業など)が全て外国人労働者を欲しがっている
- 特に地方で力が強い建設業や農業にとって安価な労働力は必須である
- 外国人労働者の大量受け入れも地方活性化の一環として考えていた
- 地方や業界団体を重視する姿はある意味で自民党らしいとも取れる
- 外国人労働者の受け入れが今まで自民党を支えていた岩盤支持層を激怒させた
- 逆に外国人労働者を受け入れなければ地方が怒り出すのでどうにもならない状況である
■ 8. 石破政権の総括
- 石破政権は別にリベラルになったというよりも従来の自民党らしく安全保障と地方を重視する政治体制を敷いていた
- 地方での石破人気につながった一方で、都市部の石破不人気でもある
- どちらかを取ればどちらかは取れないという構造である
- 本来政策とはそういうものである
- 一部の政治家が主張する「皆が幸せ」のような都合の良い話は要注意である