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今年の言葉は、怒りをあおる「レイジベイト」 オックスフォード英語辞典

(CNN) オックスフォード英語辞典を出版する英オックスフォード大学出版局(OUP)はこのほど、今年の言葉に「レイジベイト(rage bait、怒りをあおる)」を選んだ。

ネットで何かを読んでいるときに、コンテンツがわざと挑発をしているようで、怒りをあおるために仕立てられているように感じることがあるだろう。それは、エンゲージメントを高めるために意図的に怒りを誘発するよう作られた「レイジベイト」だ。

この言葉の使用頻度は今年、3倍に増加しているという。これは人々が「SNSのアルゴリズムと怒りをあおるコンテンツの中毒的な性質に対する反応として、これまで以上の速さで分極化した議論や論争に引き込まれている」と認識していることを示している。OUPは声明でそう述べた。

ほぼすべての主要辞典がインターネットに関連する言葉を今年の言葉に選んだことは、テクノロジーが日常生活に及ぼす影響と、それを表現する言葉の重要性を浮き彫りにしている。

レイジベイトは比較的無害な場合もある。例えば、気持ちの悪い組み合わせの食材を使ったレシピや、ペット、パートナー、兄弟を困らせる人などだ。しかし、それは同時に政治の議論にも浸透し、政治家の知名度向上や賛否の連鎖を引き起こすためにも利用されている。

OUPは昨年、「ブレインロット(brain rot)」を選んだ。同局代表のキャスパー・グラスウォール氏によれば、この言葉は「エンドレスにスクロールすることによる精神的消耗を捉えたものだ」という。

グラスウォール氏は、「レイジベイト」と「ブレインロット」は「怒りがエンゲージメントを刺激しアルゴリズムによって増幅されることで、人々が絶え間なくそれらにさらされ精神を疲弊させるという強力なサイクルを形成する」と指摘する。

「これらの言葉は単にトレンドを定義するだけでなく、デジタルプラットフォームが私たちの思考や行動をどのように変えているかを明らかにしている」(グラスウォール氏)