■ 1. ドイツの終わっているエピソード
- 兵役の復活:
- 2024年12月5日にドイツ議会は志願制の兵役の復活法案を可決
- 2025年1月から18歳以上の男女に対して兵役に就く気があるかの質問票を送付
- 回答は男性は義務化され女性は任意
- 2027年7月からは18歳になったら身体検査も受けさせられる
- ドイツ国民の過半数は賛成で18〜29歳の63%が反対を表明
- ドイツとロシアの間にはポーランドとベラルーシが挟まれている
- ロシアがドイツに戦争を仕掛けるとしたらこれらの2つの国を超えてこないといけない
- 中東からの移民の犯罪の増加:
- 最近発表されたレポートによるとシリアやアフガニスタンなどの中東からきた移民の犯罪は生粋のドイツ人の10倍
- 2015年にメルケル元首相が中東からの移民の大量受け入れを決定
- この2年間で120万人以上の移民がドイツに入ってきてその後も移民の流入が続く
- 昨年マルデブルグという街でクリスマスマーケットにイスラム教徒が車で突っ込んでテロを起こす
- ドイツ警察組合の副委員長は2050年にはドイツの大都市はイスラム教徒が占拠して氏族社会になると警告
- 環境規制で産業が崩壊中:
- 2011年の東日本大震災を受けてメルケル首相が原発の廃止を宣言し2023年に全ての原発を停止
- CO2を出さないように風力発電・太陽光発電などの再生可能エネルギーに力を入れる
- ロシアからの天然ガスの輸入も停止したため電気代が2倍に跳ね上がる
- 自動車産業や化学産業などの製造業が中国やアメリカに工場を移転
- ドイツの産業における生産高は2018年をピークに2割近く減少
- 雇用も2019年以降で25万人の製造業での雇用が失われる
- これだけ頑張ってCO2を削減しても世界中の国々はCO2の排出量を増やし続けている
- トランプ氏も気候変動は詐欺とバカにして2025年のCOP30には不参加
- 中国やインドは補助金くれというだけで守る気もない
■ 2. 敗戦国としての自国否定と子分化
- NATOは1949年に設立され設立目的は3つ:
- ソ連の抑止
- 欧州のナチス復活の阻止(ドイツの抑止)
- 欧州の政治統合を進める
- 初代事務総長が英国のイズメイ卿で英米主導で立ち上げられた体制
- EUは1923年にリヒャルト・カルレギーが汎ヨーロッパ主義を唱えて欧州の政治統合を目指したのがきっかけ
- 1952年に欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)ができて現在のEUにつながる流れができた
- ECSCの提唱者はフランスの外務大臣だったロベール・シューマン
- ドイツは敗戦国としてフランスの提案に従うという子分的な立場で参加
- NATOもEUもドイツが考えたことではなく英米・フランスが考えたことに付き従う感じ
- どうあるべきかとかどこまで広げるべきかとか根本的な議論をしてこなかった
- 現在のNATOは32カ国・EUも27カ国が参加
- EUについてはユーロという単一通貨を使っておりEUが決めたことが各国の政治よりも優先される状況
- 政治的な統一国家ができているようなもの
- 2009年にギリシャが財政危機に陥って余裕のある国による財政支援をすべきだという議論が起こったが最後まで反対したのはドイツ
- EUもNATOもいざとなったら助け合う的な感覚が持てる範囲を越えての拡大
- ドイツはナチスによるユダヤ人の虐殺という前科があるためドイツ人らしさとは何かとかドイツの歴史を再評価するとかそういう保守的な政治思想を持とうとすると途端にナチス礼賛だ・ヘイトスピーチだという話に繋げてしまいがち
- 現在のドイツではナチスを礼賛するような発言をするとヘイトスピーチということで厳しく罰せられる
- 反移民を掲げている政党のドイツのための選択肢(AfD)の支持率がどんどん上がってきており世論調査でもトップを取っている
- ドイツメディアの論調を見るとAfDはひどい政党だとか批判的なものばかりが目立つ
- AfDの政治活動を禁止しろと吠える政治家すらいる
- 現在のドイツの言論空間はAfDへの弾圧に見られるようにナチスと見られるの怖い・リベラル側によってた方が安全みたいな空気感が占めている
- NATOやEUへの関与の仕方もこれ以上の拡大はやめようとかそういう話にならず思考停止でただただ拡大に手を貸した結果ウクライナとロシアの戦争にぶち当たった
- 2003年のアメリカが大量破壊兵器疑惑という濡れ衣を着せてイラクに戦争を仕掛けたが当時のシュレーダー首相は戦争反対を主張
- 昔のドイツは戦争はしないという一点については譲らなかった
■ 3. 人でなしほどうまくいくという成功体験
- ドイツは1970年代に急激に出生率が下がり1.5を切るまでになった
- すでに50年前から安い労働力をどうやって調達するのかが課題
- 2つのビッグウェーブ:
- 1990年の東西ドイツの統合
- 1999年の通貨ユーロへの統合
- 東西ドイツの統合では西ドイツは東ドイツよりも産業が発展していたため適正な為替レートは1:4〜1:5ぐらいと言われていた
- 実際には1:1で統合
- 国営企業の多くが倒産してしまい失業者がたくさん生まれてその後西ドイツの企業に安い労働力としてこき使われることになった
- 東西ドイツ統合後に失業率が6%から10%まで跳ね上がる
- 2002年にもハルツ改革と呼ばれる構造改革が行われた
- 企業は労働者の首を切りやすくなり非正規労働者が増えて失業率が上がった
- 1999年にドイツやフランス・イタリアなどの欧州の主要国はユーロへと通貨を統合
- その3年後にドイツが構造改革で労働者をぶった斬ったことで一気に生産性が上がりフランスやイタリアをごぼう抜き
- フランスやイタリアは労働者の権利が強く構造改革をするのに時間がかかったためその間に一気にドイツが欧州の産業を駆逐
- 弱いふりして安い為替レートで合併してその後に労働者をぶった斬ることで本性を表して他国を出し抜いた
- 労働者を犠牲にして勝ってきたというのがこれまでのドイツ
- 2015年の時点ですでに欧州はドイツを中心としたドイツ帝国になっていると分析
- ドイツは自国の労働者の首を切ってきたことで労働者の賃金は下落傾向
- ロシアから安い天然ガスが入ってくるのでコスト競争力を維持
- ドイツがしこたま儲けても他の国が貧乏なままであればユーロの為替レートは弱いままなのでアメリカへの輸出も有利
- ユーロやEUという仕組みはドイツを中心としたシステム
- 2015年に大量に移民を受け入れたのは産業界からの要請があったから
- 2015〜16年の2年間でシリアやアフガニスタン・イラクなどの中東から120万人の移民難民を受け入れた
- これらの中東諸国からの移民は現在でも失業率が30%前後とかなり高い状況
- 労働者の首を簡単に切っても何も思わないのがドイツ人エリートのメンタリティ
- 犯罪で同じドイツ人が酷い目にあっても残りの5割が安い労働力として働いてくれるならOKというノリ
■ 4. イカれた左翼リベラルが調子に乗りすぎた
- 緑の党はショルツ政権の頃にドイツを引っ掻き回したキチガイ政党
- 2021〜22年にかけて大きく支持率を伸ばして2割を超えたがそこから急激に落ちて10%を切る寸前まで半減
- 一時期かなり盛り上がった理由はおそらく検閲
- 2015年に移民を大量に受け入れてその年の年末にケルンという人口100万人超の大都市で1000人以上の女性が移民にアレされてしまうという大惨事が起こった
- メディアの報道を統制したのかあまり大々的に報じられることはなく事件の数日後に小出しに報じることで暴動にならずに済んだ
- ドイツ政府は治安維持に力を入れるのではなく報道統制に力を入れた
- 2016年以降に330組織・425のプログラムに助成金を出すことで移民反対とか言わないようにそういうことを言う奴は人種差別だと騒ぐようにメディアやNGO・学術団体・政府組織などで検閲ネットワークを構築
- ドイツ語圏の言論空間はAfDのような保守政党を極右と批判して移民を受け入れるのは正しいんだ・移民の犯罪は何のことかとしらばっくれてきた
- その結果リベラル政党の緑の党が躍進し無事に強引な環境規制をごり押しすることで電気代が2倍に跳ね上がり企業がドイツから逃げ出すという状況が生まれている
- 再生可能エネルギーだけで国を運営していこうということで太陽光発電を新築の屋根に義務化したり脱石炭で風力発電を強化
- 緑の党のような左翼リベラルの政党は現実の認識能力がないため金持ちからがっつり税金は取るもののその使い道を致命的に間違えるのが得意
- ショルツ前政権は昨年11月の大統領選挙でトランプ氏の当選が確定した数時間後に政権を放り出した
- 緑の党というキチガイ政党と一緒に政権をやるのはバカバカしくて苦痛になっていたから
- 移民反対の声を押さえつけるために検閲体制を強化した結果もっとやべえ緑の党というモンスターを調子に乗せてしまった
■ 5. トッド教授の分析と家族システム理論
- トッド教授はドイツ人を無気力国民と名付けている
- 目的もなくただただ金を増やさなきゃ・拡大しなきゃという強迫観念だけで動いている国という意味
- 過去のドイツの歴史でもこういう時期があった
- 鉄血宰相ビスマルクをクビにして第一次世界大戦で負けたドイツ帝国の頃のヴィルヘルム2世
- 彼もとりあえず国をでかくしようと邁進した結果英仏露と対立関係となりアメリカも引き込んで大負けしてしまいオランダに逃げてドイツ帝国は終了
- トッド教授の家族システム理論では相続のやり方と親との同居か別居かという2つの軸で4タイプに分けたときにドイツと日本は同じタイプに属する
- ドイツも日本も長子相続で親と長男が同居するような国だったので政治制度や文化などにこの家族システムの癖のようなものが染み付いている
- 長子相続は不平等を受け入れやすいという社会の雰囲気
- 親と同居は親からの技術継承や教育熱心な傾向を示すので学歴が高く産業が発展しやすいという特徴を持つ
- 田舎の長男が政治を取り仕切るようなものなので次男三男の生活なんて知ったこっちゃないとなりがち
- 小泉竹中の構造改革やハルツ改革で労働者をぶった斬ることを平気でできる
- その地域のトップになったところで所詮は田舎の長男なので別に周りの人たちをもっといい場所へ連れていこうとかそういうことを考えるタイプでもない
- その結果何も目的がないつまり思考停止の国が出来上がる
- 2019年にみずほ銀行が金融庁から業務改善命令を受けた
- 19年もシステム構築に何千億円もかけながら何度もシステム障害を起こして預金者や取引先に迷惑をかけまくっていた
- 金融庁が分析したところ指摘されたのが言うべきことを言わず言われたことしかしない姿勢というもの
- 今のドイツや日本の政治がこんな状況
- 田舎の長男が政治をやっても目的も理想もないので平気で人を犠牲にできる
■ 6. 日本への示唆
- 現在のドイツは移民が色々やらかして大変な事になっている
- 思考停止の癖がついているのは日本の政治家や官僚も似たようなもの
- 今後さらに移民が増えてくればドイツと同じような目に遭う可能性がありそう
- 高市首相は今の所中国とばちばちやっているのでこれまでとはちょっと違った展開になりそうな気もする