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トランス差別者として糾弾されたJ・K・ローリング──5年経って正しかったのはどちらか?

要約:

■ 1. J・K・ローリングへのトランス差別者のレッテル

  • 2020年6月にJ・K・ローリングのあるツイートをきっかけにローリングは世界中のトランス活動家とそのアライからトランス差別者として猛烈な攻撃を受けた
  • ハリー・ポッターシリーズの映画で準主役をつとめたエマ・ワトソンも攻撃者の側に与した
  • ローリングはひるむことなく女性の権利のために発言を続けた

■ 2. ローリングの声明の内容

  • ローリングの声明からの引用:
    • トランスを自認する人々の大多数は他者にまったく脅威を与えていないだけでなく弱い立場にあると思っている
    • トランスの人々は保護を必要としているし保護されるべきだ
    • 性産業で働くトランス女性特に有色人種のトランス女性はとりわけ危険にさらされている
    • 男性から虐待を受けたトランス女性には共感と連帯以外の何ものも感じない
  • ローリングはトランスの人々への配慮と共感を十分に表明しつつ生物学的女性にはトランスの人々と同じく守られるべき人権と尊厳があると訴えた
  • 声明の締めくくり:
    • 脅迫や罵倒を受けることなく自分たちの懸念を聞いてもらいたいと願ったことだけが唯一の罪である何百万人もの女性たちに同じような共感と同じような理解がもたらされるようにすることを求める

■ 3. 炎上のきっかけ

  • 2020年6月7日にローリングは生理のある人という言葉を見出しに含む記事を引用
  • 生理のある人昔はこの人たちを指す言葉があったはず誰か教えてウンベン?ウィンパンド?ウーマッド?とツイッターに書き込んだ
  • このことがトランス活動家とそのアライたちの逆鱗に触れトランス差別者だといっせいに非難された
  • ローリングは2020年6月10日にセックスとジェンダーに関する声明を自分のサイトに発表
  • 攻撃を鎮静化させるどころか攻撃にいっそう拍車をかけただけであった

■ 4. ローリングへの言葉の暴力

  • 言葉の暴力の洪水となってローリングに襲いかかった:
    • J・K・ローリング私のディックを舐めな
    • J・K・ローリング私のディックで窒息ファックをしてやるよ
  • 男性器を女性への攻撃に用いるのはトランス活動家の常套手段
  • 有害な男らしさに満ち溢れた行為だが彼らが自称するジェンダーの多種多様さに応じてそのディックには虹色並みの多彩な修飾語が付されている
  • トランス・ディックノンバイナリー・ディックなどは序の口でジェンダークィア・ディックやトランスジェンダー・ノンバイナリー・ディックのように二段重ねの者もいた
  • 主要メディアや著名人をはじめとして世界中のほとんどすべてのリベラルな人々や多様性重視の人々はJ・K・ローリングを攻撃する側に与した

■ 5. エマ・ワトソンの選択

  • ダニエル・ラドクリフやエマ・ワトソンもローリングを攻撃する側に与した
  • ラドクリフの発言:
    • トランスジェンダーの女性は女性です
    • これに反する意見はどんなものであれトランスジェンダーの人々のアイデンティティや尊厳を消し去るものだ
  • ワトソンの行動:
    • 2020年6月11日にトランスの人々は自分が言うとおりの人たちだしそのことが絶えず疑問視されたりそうじゃないと言われることなく生きるに値するとツイート
    • マーメイドなどのトランス推進団体への寄付を約束し実行
    • 2022年3月に英国アカデミー賞授賞式で私はすべての魔女たちのためにここに来ましたと言った直後に口パクで1人を除いてとつけ加えた
    • これはJ・K・ローリングのことを言っているのだと話題になった

■ 6. 5年間の変化

  • 女性スペースに入り込んだトランス女性による事件の報道は後を絶たない
  • 女子スポーツに参入した女性自認の男たちは生来女性を差し置いて次々と上位を独占:
    • 2022年に全米大学体育協会主催の選手権大会で優勝したペンシルヴァニア大学のリア・トーマス選手が有名
    • 2024年のパリ五輪では女子ボクシング競技で生物学的男性が金メダルを獲得
  • この5年間は女性の安全と尊厳が踏みつけにされ続けた5年間
  • 同時に世界中でこのことの異常さがますます認識されるようになり是正の動きも始まり急速に広がっていった

■ 7. マヤ・フォーステイターの裁判

  • ノンバイナリー自称の男を男性だと指摘したことで自分の所属するシンクタンクを解雇されたマヤ・フォーステイターの裁判:
    • マヤは一審で敗訴したが2021年に控訴審で勝利
    • ジェンダークリティカルな信念は民主社会において保護されるに値する思想信条であると認定された
    • 2022年の裁判ではマヤの解雇は思想信条に基づく差別であり不当なものであったと認定
    • 2023年には損害賠償請求も認められた

■ 8. キャス・レビュー

  • 2024年4月にキャス・レビューと呼ばれる報告書が発表
  • 正式名称は子どもと若者のための性自認サービスに関する独立レビュー
  • トランス医療の名でこれまで行なわれた行為に深刻な欠陥と問題があることをエビデンスに基づいて明らかにした
  • 保守党も労働党もこの報告書を受け入れた
  • その結果イギリスにおいて18歳未満の人への思春期ブロッカーの処方が禁止された

■ 9. トランプ大統領の大統領令

  • 2024年10月のアメリカ大統領選挙でトランプが地滑り的な大差で2度目の大統領に選ばれ2025年1月20日に第47代大統領に就任
  • 就任当日にジェンダー・イデオロギー過激主義から女性を守り生物学的真理を連邦政府に回復させる大統領令を発表:
    • 性別の生物学的現実を根絶しようとする試みは女性の尊厳安全安寧を奪うことで女性を根本的に攻撃するものである
    • 性別は二つしかなく生物学的な男性と生物学的な女性だけだと宣言
    • 生物学的性別を大きな配偶子を作る性別と小さな配偶子を作る性別という科学的に根拠のある規定にもとづかせた
  • 2025年1月28日に化学的・外科的な身体損傷から子どもを保護する大統領令を発して18歳以下の子供への思春期ブロッカーや異性ホルモンの投与外科的手術への連邦政府の資金援助後援支援等をいっさい禁じた
  • 2025年2月5日に女子スポーツへの男性の参加を禁止する大統領令を発した

■ 10. イギリス最高裁の判決

  • 2025年4月にイギリスの最高裁判所は平等法で言うところの性別とは生物学的性別を意味するのでありトランス女性はそこには含まれないとの画期的判決を下した
  • この判決はトランスの人々が差別されてよいというような判断をしたのではない
  • トランスの人々はその自認する性別においてではなくトランスという属性において引き続きその人権は保護される
  • トランス女性は女性ではなく男性であるというごく初歩的な事実が確認された

■ 11. スポーツ分野の変化

  • ペンシルヴェニア大学は2025年7月にトランス女性を自認する男性選手の女子競技出場を禁止することでトランプ政権と合意
  • 2025年11月にイギリスの各紙は国際オリンピック委員会が女性を自認する男性のトランスジェンダー選手によるオリンピック女子競技参加を禁止する方向で検討していると報じた
  • これまではテストステロンレベルを一般男性よりも低い水準以下に維持していればいいとされていた
  • テストステロン値を下げても男性の骨格は変わらないし筋肉や肺活量などの水準もさして下がらないことが明らかになった
  • 2025年11月にニュージーランドは若年のトランスジェンダーに対する思春期ブロッカーの新規の処方を禁止する措置を発表

■ 12. ローリングとワトソンの和解問題

  • エマ・ワトソンは最近になってローリングとの和解を希望するような発言をしている:
    • 私の意見に賛成しない人にも愛してほしいし私も必ずしも同じ意見を持たない人を愛し続けたい
  • ローリングはそのような和解の申し出をきっぱり拒絶
  • トランス寄りの主流メディアはローリングの心の狭さを責めた
  • 和解を云々する前にワトソンには根本的に誤ったイデオロギーに安易に与して反民主主義的で反科学的な動きを煽り多くの子どもたちを不必要でしばしば不可逆的な治療に追いやる手助けをしたことを反省しなければならない
  • 2人の和解はワトソンが自力でこのイデオロギーの迷妄から脱出することができるかどうかにかかっている