■ 1. 事件の概要
- 2026年1月3日に南米ベネズエラでアメリカ軍による大規模な軍事行動が行われた
- 現職のマドゥロ大統領が拘束されるという事態が発生
- アメリカが麻薬テロリズムとの戦いという名目で他国の国家元首を軍事力で排除した歴史的転換点
■ 2. 事件の3つの要点
- 首都カラカスへの物理的攻撃:
- 現地時間の夜間に軍事施設や空軍基地に対して極めて精密な空爆を実施
- マドゥロ大統領身柄の拘束:
- トランプ大統領はこれを法執行作戦と呼び身柄を確保して即座に国外へ移送
- 歴史的な重み:
- アメリカがラテンアメリカの国家元首を軍事力で直接拘束するのは1989年のパナマ侵攻でノリエガ将軍を逮捕して以来約37年ぶり
- 西半球の安全保障パラダイムが一変したことを意味
■ 3. 当日の動き
- 現地時間1時50分頃にカラカスの夜空に最初の爆発音が響いた
- 2時に攻撃が本格化し低空飛行する航空機により少なくとも7回の激しい爆発が発生
- 2時15分には大規模な停電が発生しサイバー攻撃も併用されたと見られる
- 夜明け前の4時30分にトランプ大統領がSNSで作戦の成功とマドゥロ身柄の拘束を発表
■ 4. 攻撃の標的選定
- フエルテ・ティウナ:
- 国防省や軍事情報放送局があり政権の心臓部
- 破壊により軍の指揮系統を物理的に切断
- ラ・カルロタ空軍基地:
- カラカス市内にあり政府要人の緊急脱出に使われる場所
- 制圧により逃走経路を完全に断った
- エル・ボルカン:
- 周辺の通信インフラ
- 政権から軍部隊への司令や国民への放送を遮断
- 目と耳と足を同時に奪う作戦
■ 5. 見えない領域での攻撃
- 大規模な停電は爆撃による送電網の破壊だけでなく電力制御システムへのサイバー攻撃も併用された可能性
- 軍の通信だけでなく民間のインターネットも遮断され現地の状況が外部に漏れるのを防いだ
- ベネズエラのロシア製防空ミサイルシステムも強力な電子妨害によって完全に沈黙
- これにより米軍は安全に作戦を遂行できた
■ 6. デルタフォースによる直接行動
- 空爆による混乱の最中に米陸軍の精鋭部隊デルタフォースが投入された
- 任務は破壊ではなく特定の人物の確保
- 海域に展開していた空母や艦船からヘリコプターやオスプレイを使ってカラカス市内へ高速侵入
- 停電と混乱に乗じてマドゥロ大統領の居場所をピンポイントで特定し拘束
- 抵抗を排除して身柄を確保するとすぐさま国外へ移送
- 従来の侵攻というより巨大な警察力による逮捕劇に近い
■ 7. 法執行作戦という修辞
- トランプ大統領は米国の法執行機関と連携して行われたと発言
- この軍事行動があくまで犯罪者の逮捕であることを強調するレトリック
- マドゥロ氏を敵国の元首としてではなく米国内の法で起訴された麻薬カルテルのボスとして扱う
- 国際法上の主権侵害という批判を交わそうとする意図
■ 8. 従来の軍事侵攻との比較
- 従来の侵攻:
- 国土を占領し敵軍を殲滅することが主目的
- イラク戦争などが該当
- 今回の法執行作戦としての軍事行動:
- ターゲットは特定の個人
- インフラ破壊は目的達成に必要な最小限に止められた
- 大規模な地上部隊による占領は行われない
- 警察権の延長として軍事力を行使するグレーゾーンな手法
■ 9. ベネズエラ政府の混乱
- 残された政権幹部は国家非常事態宣言を出したが大統領本人が拘束されているため誰が指揮を取るのか不明確で実効性を欠いた
- 国民に対して街頭に出るよう呼びかけたが通信インフラが破壊されていたため組織的な動員はできなかった
- パドリーノ・ロペス国防相は声明こそ出したが大統領の拘束には触れず軍が積極的に反撃に出る様子もなかった
- 軍内部ですでに離反や様子見が始まっていた可能性
■ 10. サザンスピア作戦の4つのフェーズ
- フェーズ1:
- 戦力の増強と海上阻止
- 2025年の8-9月
- 海域への海軍艦艇の展開と麻薬密輸船への取り締まり強化
- フェーズ2:
- 戦力投射と包囲網
- 2025年10-11月
- 空母打撃群を展開し封鎖網を完成
- 石油タンカーの拿捕など経済的な締め上げ
- ドローンによる偵察や限定的な攻撃で相手の反応を探った
- フェーズ3:
- 経済封鎖と限定打撃
- 2025年12月
- フェーズ4:
- 直接行動と政権排除
- 2026年1月3日
- 1月3日の直接行動
- 計画的かつ段階的に圧力を高めていった
■ 11. 麻薬密輸船への攻撃
- 作戦の初期段階で公海上で激しい不可視の戦争が行われた
- トランプ政権は麻薬密輸業者をテロリストと認定し通常の司法手続きを省略して撃沈・破壊
- 2025年末までに確認されただけで35回以上の攻撃が行われ115名以上の密輸業者が死亡
- 人権団体からは超法規的処刑ではないかとの批判があったが米国は自衛措置として押し切った
■ 12. ハイブリッド艦隊の実戦投入
- 有人艦艇が後方で指揮を取り前方には無人の水上艇やドローンを大量に展開
- 広大な海域を24時間体制で監視し従来のレーダーでは捉えにくかった小型の麻薬密輸ボートを逃さず捕捉・追跡
- 未来の海戦の姿
■ 13. 空母ジェラルド・R・フォードの役割
- 作戦の要となった世界最大の最新鋭空母
- 2025年11月に海域に到着しベネズエラに対して圧倒的な軍事プレゼンスを見せつけた
- 電磁式カタパルトを装備し航空機を次々と発艦可能
- 電子戦機EA-18Gグラウラーが強力なジャミングを行いベネズエラ軍の防空レーダーを盲目にした
- 味方の航空機や特殊部隊の安全を確保
■ 14. 3段階の航空優勢確立
- 第1段階:
- 電子戦で敵の目と耳を潰す
- 第2段階:
- 対空制圧を行い地上のミサイルサイトを叩く
- 第3段階:
- 完全な航空優勢を達成
- ベネズエラ空軍はロシア製の戦闘機を持っていたが土台を崩されたことで離陸することさえ叶わず一方的に制空権を奪われた
■ 15. カルテル・デ・ロス・ソレスの存在
- アメリカの主張の根幹にある太陽のカルテルという組織
- ベネズエラ軍の幹部たちが組織的に麻薬密輸に関与しているとされるネットワーク
- マドゥロ政権そのものが国家機関を利用して麻薬を密輸しコロンビアの左翼ゲリラFARCと手を組んでテロ活動を支援
- 国家そのものが犯罪組織に乗っ取られているというのがアメリカのロジック
■ 16. 法的根拠の積み上げ
- 2020年に米司法省が出した起訴状が法的根拠
- 麻薬の武器化という概念を提示
- マドゥロらは単にお金儲けのために麻薬を売っているのではなくアメリカ社会を破壊するために意図的に麻薬を送り込んでいると断定
- 麻薬対策は単なる警察の問題ではなく軍事力を行使すべき国家安全保障上の脅威へと格上げ
- 2020年にマドゥロ氏を起訴し巨額の懸賞金をかけて国際手配
- 組織を外国テロ組織に指定したことで9.11以降の論理で自衛権に基づいた軍事攻撃が可能になる解釈
■ 17. 過去の失敗例との比較
- 2020年のヘデオン作戦は民間軍事会社によるずさんな計画であっけなく失敗
- 逆にマドゥロ政権の宣伝材料にされた
- 今回のサザンスピア作戦は米軍が総力を上げて行った国家の意思による作戦
- 失敗すれば取り返しのつかない事態になるリスクを背負って実行された点にトランプ政権の本気度や焦りが感じられる
■ 18. 憲法上の権限争い
- アメリカ憲法では戦争を宣言する権限は議会にあるがトランプ大統領は議会の承認を得ずに作戦を決行
- 政権側の主張:
- これは戦争ではなく警察行動でありテロリストに対する自衛権の行使
- 2001年の同時多発テロ後に成立したAUMFを拡大解釈
- 議会側の反発:
- 大統領の独走であり議会の承認なき軍事行動は憲法違反
- このような前例がまかり通れば大統領が好きな時に好きな国を攻撃できるようになる
- アメリカの民主主義の根幹に関わる問題
■ 19. 共和党内からの異論
- トランプ大統領の身内である共和党内からも異論が出ている
- マイク・リー上院議員など憲法重視を掲げる保守派の議員は手続きを無視した軍事行動に懸念
- 一度法執行という名目で軍事介入を許せば世界中で際限なく戦争が起きてしまうリスクを警戒
- 党派を超えて大統領権限の暴走を危惧する空気が広がっている
■ 20. ロシアと中国の反発
- マドゥロ政権の後ろ盾だったロシアと中国は激しく反発
- ロシア:
- 国連でカウボーイのような振る舞いだと非難
- 自国製の防空システムがあっけなく破られたことで軍事技術の威信が傷ついた
- 中国:
- ベネズエラの最大の債権国であり石油の相手国
- 野蛮な攻撃だと非難
- 巨額の投資が回収できなくなることやエネルギー供給が止まることを深く懸念
■ 21. 周辺国の動揺
- 隣国コロンビア:
- 突然のミサイル攻撃と混乱により難民が押し寄せることや国境地帯でゲリラ活動が活発化することを恐れている
- 反米路線のキューバやイラン:
- 今回の作戦を明日は我が身と受け止め恐怖心を抱いている
- 気に入らない指導者は軍事力で拉致してもいいという前例ができたことに震え上がっている
■ 22. 軍事マーケットへの影響
- ベネズエラ軍はロシア製の強力な防空ミサイルS-300VMなどを配備していたが米軍の電子戦の前では全く機能しなかった
- 米軍の電磁妨害やサイバー攻撃によってロシア製兵器は目隠しをされた状態になり無力化された
- ロシアの兵器は米軍には通用しないという宣伝になりロシアの軍事ビジネスにとって大きな打撃
■ 23. ベネズエラの未来の3つのシナリオ
- シナリオ(1) 民主化への移行:
- マドゥロ氏を失った政権幹部や軍部がアメリカとの司法取引に応じて暫定政権を樹立し選挙を実施
- 長年権力を独占してきた勢力が素直に従うかは未知数でハードルは非常に高い
- シナリオ(2) 泥沼の内戦化:
- マドゥロ氏以外の強硬派が残存勢力を率いて地下に潜りゲリラ戦を展開
- ロシアやイランが武器や資金を支援すれば紛争は長期化しベネズエラは南米のシリアのようになる恐れ
- シナリオ(3) 新たな軍事独裁の誕生:
- 別の軍の実力者が権力を握りアメリカに対しては従順なポーズを取りつつ国内では強権支配を続ける
- 麻薬ビジネスの構造自体は温存され数年後にまた同じ問題が起きる可能性があるが早期に安定を取り戻すための現実的な落とし所
■ 24. パラダイムシフト
- 相手が主権国家であっても麻薬テロ組織と認定すれば軍事力で介入できるという前例を作った
- 戦争と警察活動の境界線が完全になくなり軍隊が手錠を持って他国に乗り込む時代になった
- 対話や経済制裁ではなくトップを物理的に排除するという力による解決をアメリカが明確に選択した
■ 25. 今後の注目ポイント
- アメリカに移送された彼の裁判で彼が何を語るのか他の国家元首との関係が暴露されるのか
- ベネズエラ国内で誰が権力を握り国を立て直すのか
- 原油生産が再開され市場がどう反応するのか
- これらは今年1年を通じて世界のトップニュースであり続ける
■ 26. 結論
- アメリカはパンドラの箱を開けた
- これがラテンアメリカに自由をもたらす聖剣だったのか新たな混乱の始まりだったのか
- 歴史の審判が下るにはまだ時間がかかる