■ 1. 著者の立場と前提
- 中道改革連合の壊滅は著者の予測通りの結果であった
- 著者は高市早苗を支持しない
- 保守イデオロギーが強すぎる点を批判する
- 歴史認識・人権問題(同性婚法制化・選択的夫婦別姓)において批判的立場をとる
- 「円安ホクホク」的な経済政策をほとんど評価しない
- 中国への挑発姿勢を安直かつ不用意なものと見なす
- 宰相の器ではないと断言する
- 勝ち側への便乗を目的として高市支持を打ち出しマジョリティからのポイントを稼ごうとするプレイヤーに軽蔑を示す
■ 2. リベラル壊滅の真因
- 壊滅の原因は野田佳彦の中道路線の失敗ではない
- より左派色が強ければさらに壊滅していたことは選挙結果から明らかである
- 共産党なども伸びていないため「左派色を維持すればここまで負けなかった」という主張には無理がある
- 壊滅の原因は国民民主党の大量擁立でもない
- 「止め」を刺す効果はあったものの「瀕死」状態はその前から存在した
- 真因は「リベラル」な人たちの「キャラ」が嫌われていることにある
- 小選挙区制・高市早苗人気・左派への嫌悪感が重なり地滑り的な選挙結果を招いた
■ 3. 右派・左派の動員構造
- 右派はコンプレックス層にアピールすることで成立する
- 自己を国家のような「大きなもの」と一体化させる
- 強い側を支持することで自分も強くなったと錯覚させる
- 左派はナルシシスト層にアピールすることで成立する
- 「正義」を投稿することで自己の存在価値を社会に示す動機によって動員する
- 「自分探し的」に政治を消費する層を中心的支持基盤とする
- ナルシシズムのために無党派層・ライト層に積極的に嫌われている問題が前面化した
■ 4. 左派の戦略的問題
- 90年代自意識系サブカル出身の40〜50代がリベラル化した層が多数存在する
- コンプレックスが強い場合はネット右翼的方向へ向かう
- ナルシシズムが強い場合は自意識系左翼的方向へ向かう
- 両者の差異はその程度に過ぎない
- この層を「お客様」としてSNSを盛り上げる戦略を左派はおよそ10年取り続けた
- メディアは収益のためこの層を活用した
- 文化人たちも同様のメンタリティのため一緒に盛り上がれた
- この層のメンタリティは社会変革への関心よりリンチの快楽や自己陶酔が優先される
- こうした層の発信スタイルでは無党派層・ライト層の票を獲得できない
■ 5. 問題行動の具体例
- 陰謀論への「寄り添い」問題:
- 山本太郎の被災地放射能デマを批判できなかったリベラルの事例がある
- 未検証の情報を拡散することへの批判よりも支持者感情への寄り添いを優先するメンタリティを批判する
- 「ママ戦争を止めてくるわ」的な言説:
- 「勇ましい」イメージを消費して靖国参拝や軍備増強を主張する保守と同様のメンタリティとする
- 9条的一国平和主義の表面的アピール:
- 湾岸戦争時代にされ尽くした議論を無視した表面的な「平和」イメージの訴求である
- 有権者を軽視した手法と断言する
- SNS上で気持ちよくなることを優先する自分探し社会派層にしか届かない
- 野田佳彦・玉木雄一郎への攻撃:
- 自分たちへの反省なく他者攻撃を繰り返すことが「そういうところ」であると指摘する
■ 6. 著者の主張するべきこと・やってはいけないこと
- 高市早苗への便乗の誘惑を断ち切ることが必要である
- 今回のリベラル崩壊を正面から受け止めてゼロから立て直すことが必要である
- 自分たちの「キャラ」の問題を直視し反省することが求められる
- 自己の「キャラ」の問題を指摘されると反省せず攻撃するという姿勢を改めることが必要である