■ 1. 社名「ころから」の命名経緯
- 2012年に翌年の創業を見据えて社名の検討を開始
- 羽鳥書店(2009年東京・千駄木創業)創業者・羽鳥和芳の講演で「社名はあればなんでもよく書店員は代表作で出版社を覚えるのだから社名より企画に注力すべき」という助言を受け命名への姿勢が変化
- 「ころ」は重い物を動かす際に下に敷いて転がす堅く丸い棒(道具名)で「転」とも書く日本語
- 著者は中高生時代に石材店でのアルバイトを通じて「ころ」を日常的に使用していた
- 「から」は英語の"from"に相当
- 「ころ」から車輪付き台車への転換やパラダイムシフトを促す本を象徴する社名として「ころから」と命名
- 共同創業者のシナダと安藤から「なんでもいい」と承諾を得て決定
■ 2. ネット検索できない屋号という特性
- 「ころから」は「小学校のころから」「独身のころから」等の日常語句でヒットするためSNSでのエゴサーチが不可能
- 京都・二条の三月書房(2020年閉店)店主・宍戸立夫がメルマガで「ころから」等のネット検索できない屋号の増加に言及したことで著者は喜びを感じた
- エゴサーチができないことでネガティブな情報によるメンタルへの悪影響を受けずに済むという逆説的な利点があると著者は考え直した
■ 3. ロゴ制作の経緯とコンセプト
- 旧友のイラストレーター「なみへい」こと「こばやしまちこ」に制作を依頼
- 参照イメージ:
- 晶文社のサイのロゴ(著者の大学生時代である1980年代に輝いて見えた出版社のマーク)
- 蔵書印(蒐集家が蔵書に捺す印影)
- 制作上の要件:
- 洋菓子店でも和菓子屋でもなくどちらでもある曖昧な印象
- DTP対応のため縦位置・横位置いずれにもトランスフォーム可能な構造
- 制作手法:
- 「こ」「ろ」「か」「ら」の各文字を消しゴム判子で手彫りし印影をスキャン
- 丸や四角の枠に一文字ずつ収めて縦・横・正方形に連結
- 朱色を使用することで蔵書印のイメージを表現
■ 4. ロゴと社名に対する著者の考察
- ロゴは「なくても困らない」が「あるとうれしい」存在として位置付け
- 大企業のCI刷新には数億円のコストがかかるが「ひとり出版社」は信頼できるイラストレーターやデザイナーに相談することで同様の効果を目指せる
- SONYやKodakのような造語は特定言語に依存せず視覚的認識だけで意味が伝わる点を理想例として挙げる
- 社名とロゴが揃った時点でスタートラインに立てたと著者は表現
- 「ころから」という社名を見るたびに書店員が書名と結び付けて覚えてもらえるよう努力を続けることを著者は自身に課している