■ 1. 中国におけるLGBTQ+弾圧の実態
- デジタル空間の弾圧:
- 国内向けゲイコミュニティアプリBluedおよびFinkaが2025年11月にApp Storeから削除された
- サイバー空間管理局(CAC)がLGBTQ+関連アプリを「整理」対象として削除命令を発令
- Weiboでは関連投稿が「センシティブ情報」として削除・警告・非表示の対象となることが常態化
- 2022年以降の「ネット浄化キャンペーン」でLGBTQ+関連情報が「有害情報」「違法情報」として広範に削除
- 文化表現への直接介入:
- BL創作への取り締まりにより複数の作家が逮捕・尋問を受け関連サイトが閉鎖
- 2025年には同性愛を描いた映画でAIによる改変が行われ男女カップルへの置換という形で国家が文化表現に直接介入
- こうした介入は創作者に自己検閲を強いLGBTQ+の存在を「不可視化」する方向での制度化が進行
- イベント中止と組織弱体化:
- 複数地域で長年続いてきたプライドイベントが相次いで中止され物理的なイベント開催が困難に
- 地域コミュニティの連帯が縮小し草の根活動が事実上弱体化
- LGBTQ+擁護の姿勢を示した著名人がメディア出演を突然キャンセルされる事例が発生
- 社会的差別:
- 性的指向・性自認に基づく差別を禁止する法律が存在しない
- 家庭・学校・職場においてカミングアウトができない状況や職場での嫌がらせ・不利益が広く報告
■ 2. 左派言論における二重基準への批判
- 問題の所在:
- LGBTQ+権利擁護を強く訴える欧米・日本の左派言論の一部が中国の人権状況批判に及び腰になる傾向がある
- 中国共産党へのシンパシーや「反米」的文脈から中国における言論統制を矮小化するケースが存在
- 弾圧されているLGBTQ+当事者は市井の一般庶民であり「文化的問題」として矮小化できる性質ではない
- 人権の普遍性という原則:
- 人権の普遍性を主張するならばその適用に地政学的な例外を設けることは論理的に成立しない
- 「反米的な体制の人権侵害は相対化する」という態度は人権を政治的立場を補強する道具として使用しているにすぎない
- LGBTQ+の権利擁護を本気で行うならば中国であれサウジアラビアであれ同じ基準で批判されなければならない
- 沈黙が持つ意味と帰結:
- 中国政府の態度への沈黙は弾圧される当事者を見捨てる結果をもたらす
- 「連帯」を掲げながら当事者の存在を政治的都合から黙殺することは擁護ではなく裏切りである
- 中国の言論弾圧を「軽いもの」と冷笑する者は人権擁護者でもLGBTQ+のアライでもない
- そのような者を「仲間」として擁護しながら人権の擁護者を自称する言論界隈はその信頼性を失う