■ 1. アメリカの戦争目的
- トランプ大統領の目標は不透明であり以下の間で揺れ動く:
- イランの核開発計画の縮小
- 全要求への屈服
- 体制の完全崩壊
- 16日間の精密爆撃でイランの軍事力は著しく弱体化しているが屈服・崩壊には至っていない
- 2月にジュネーヴでオマーン仲介の間接協議が行われ核問題で進展があった:
- イランは核兵器不保有を保証する大幅な譲歩を示唆
- イランは弾道ミサイル計画縮小や代理組織(フーシ派・ヒズボラ等)支援については議論を拒否
- 最も望ましい結果はイスラム指導者支配の崩壊と民主的政府の樹立だが実現の兆しはない
- 次善の結果はイランの行動変容と過激民兵組織への支援停止だが新最高指導者に強硬派のモジタバ・ハメネイ師が就任したため困難
- 原油高騰・ホルムズ海峡封鎖・国内世論の悪化によりトランプ氏への停戦圧力が高まっている
■ 2. イランの立場
- できるだけ早く戦争を終わらせたいが米国の要求を丸のみすることは拒否
- トランプ氏より長く持ちこたえられるという「戦略的な忍耐力」が自国にあると認識
- 地理的優位性を保有:
- 湾岸諸国で最長の海岸線
- ホルムズ海峡を通過する世界石油供給量約2割を運ぶ船舶に無期限の脅威を与えられる
- 各国がこの戦争を支持していないため米国は各国の海軍支援を得られない状況
- 公式要求は以下の通り:
- 今後攻撃を受けないという確実な保証
- 空爆による損害への戦争賠償金
- 要求実現は困難と認識しているが紛争を乗り切れば国内外に勝利をアピール可能
■ 3. イスラエルの目標
- 3カ国の中で最も終戦を急いでいない
- 軍事目標:
- イランの弾道ミサイル備蓄の最大限の破壊
- 兵器貯蔵施設・指揮統制センター・レーダー基地・革命防衛隊基地の破壊
- 施設は再建可能であるためイランに再建の代償を理解させることを目的とする(再建すれば数カ月後に再爆撃するという抑止)
- イランの脅威認識:
- 高度に発展した国産ミサイル・ドローン産業(ロシアにシャヘドドローンを提供)
- ウランを濃縮度60%まで濃縮(民生用原子力に必要な水準を大幅に超過)
- ネタニヤフ政府はこれらをイスラエルの国家存亡に関わる容認不能な脅威とみなす
■ 4. 湾岸諸国の立場
- サウジアラビア・UAE・カタール・バーレーン・クウェート・オマーンは戦争前まではイランとの共存を想定
- 今回の戦争を支持しないと表明しているにもかかわらずイランのドローン・ミサイル攻撃がほぼ毎日続いている
- 16日にはサウジアラビア単独で60発以上の飛翔体を迎撃
- 「一線を超えた」との認識のもとイランとの信頼関係は完全に喪失しており正常な関係の回復は不可能と判断