■ 1. 事件の概要
- 伊東市の田久保真紀・前市長が有印私文書偽造・同行使および地方自治法違反の罪で2025年3月30日に起訴
- 田久保被告はインターネット上の業者に「文学博士○○之印」「法学博士○○之印」の印章作製を依頼し東洋大学の卒業証書を偽造した疑い
- 偽造は2025年5月29日頃から6月4日にかけて行われたとされる
■ 2. 印章業界の反応
- 全日本印章業協会(会員数666・公益社団法人)が4月1日に公式サイトで会長名のコメントを発表
- 福島恵一会長は報道が印章業界への風評被害につながる恐れがあると懸念を表明
- 会長は「印章業界の人間からすると被害を受けていると言っていい心外な話」と強い不快感を示す
- 協会は印章業者が犯罪に関与するリスクと利益が釣り合わないとの合理的判断も背景にあると説明
■ 3. 印章憲章と業界の倫理観
- 同協会は「印章憲章」という基本理念を掲げ第3項で印章を「信証の具」と位置づける
- 憲章は印章の信憑性が疑われることは業界の危機であり確固たる営業姿勢が重要と規定
- 犯罪行為への加担が判明した会員は総会決議による除名処分の対象となる(定款9条・18条)
■ 4. 印章作製の実務と業界の立場
- 「文学博士○○之印」のような文字情報のみに基づく新規注文は通常の受注業務の範囲内との認識
- 依頼があれば用途を確認しつつも基本的には注文どおりに作製するのが業界慣行
- 学長印など機関印の作製依頼に対しては本人確認を実施している
- 実際の卒業証書には「大学学長之印」や「学部長之印」が押印されるのが通例であり「法学博士○○之印」が押印されること自体が不自然
■ 5. 報道への異議と今後の懸念
- 協会は今回の印章作製を「犯罪への加担」であるかのように報じる報道に強い違和感を表明
- 印章業者は証書偽造の意図を知らずに依頼を受けた被騙される側であるとの主張
- すべての業者が同協会に加盟しているわけではなく偽造を請け負う反社会的業者の存在も確認されている
- 事件の真相は公判の過程で明らかになる可能性があるが業界への影響を会長は最後まで懸念